2023年度第3回実践ゼミ

第3回目の実践ゼミでは、実際にABRを体験しました。テーマは自己理解・他者理解です。前半は「ビジュアルアート」を活用した活動後半は「ナラティブ/文学のジャンル」を活用した活動です。

短い時間で2つのジャンルでの活動をしたので、キツキツでしたが(本当ならひとつ1時間ずつくらい使いたかった!)目的は、アートを使うことでどんな探究(研究)ができるのか見つけていくことだったので、そこは抑えれたかな!と思います。

全体振り返りでは、次の点について振り返りをしました。
・アートだからこそ見ることができる側面は何?(アンケートやインタビューでは見えないものでアートだからこそ見えてきたことは)
・アートの力ってどういうものだと思った?
・アートの力が発揮できる研究って何?
・アートを使った自己理解、他者理解は楽しかった?なぜ?

最後の振り返りでは、次のような意見がでてきました。
○言葉で「説明」する時は、相手にわかるように完成させて、明確に伝えなければと思ってしまうけれど、アートを使うことで「まだ言葉になっていないふわっとしたイメージ」でも表現ができる。そして、表現したことで、伝える人、見る人で一緒にその言葉づくりができるのもいいと思った。
○表現したことがきっかけで、意識していなかったところに目を向けれるようになった。たとえば、一筆書きのワークで、自分の1年の抱負を二重の星で表現したななみに、「なぜ二重にしたのか」と聞いたところ、本人も想像もしていなかった自分の気持ちや考えや生まれてきた。表現から意味が生まれる体験をした。アートが自己や他者を理解する「枠」を広げる可能性があることがわかった。それは自分では作れなかった「枠」で対話をする中で生まれてきた「枠」だった。枠によって自己理解、他者理解の可能性を広げることができた。
○見えない部分に目を向けることができた。メタファやビジュアルにする「プロセス」でその人のことをより深くしれた。たとえば、「自分は完璧主義だ」という言葉を聞いた時その完璧さが、傷ひとつない鏡のようなのか、ときいたら、そうではなくて、、という会話になった。普段使っている言葉もメタファに置き換えることで、その人のこれまで見えなかったところに目を向けることができた。波乱万丈という言葉でも、人によってそのイメージが違ってくるので「ハリケーンのよう」という言葉を使うことで、自分がもつ波乱万丈のイメージも共有でき、波乱万丈という言葉以上に、イメージと共感を喚起することができた。
○「ゾロのような人生」と聞いた時に、え?どういうこと?と好奇心を持って相手のことを知りたい、と思った。単なる情報交換ではなく、相手のことを知りたい、と思わせる入口になった。
といった意見がでました。もっともっといろんな経験と言葉がうまれたように思うので、それはゼミの振り返りでシェアしていきたいと思います。

また、今日やったワークで、実際に自分の人生の物語を詩や小説のように書いてみる、ということも来週までにやってみるので、どんな作品がでてくるか楽しみです。

2023.4.29 ラマダン明けを祝うアイード

4月29日は、ラダマン明けのアイードをしました。ジウンとジウン妹が韓国料理を、しょう先生たちが中国料理を、Lipuくんがバングラ料理を、そして、ラーマがシリア料理を作ってくれました。さらにお茶の先生のみゆきさんも参加してくれ、急遽茶道体験も!岸ゼミ1期生がオンラインで協働学習していたトルコガジアンテップの当時大学生だったフェルハットもきてくれ、数年振りの再会でした。3期生しゅんも準備だけ手伝ってくれたり、ほんとみんなの力が合わさってつくれた最高の時間でした✨

今日の楽しい5時間を10分でダイジェスト!
こちらから視聴いただけます✨
https://youtu.be/2ItvAcO9ylM

お茶の先生もアイードに参加くださったのですが、急遽、茶道を経験できる場を設けてくれました。区民センターに茶室があったので、料理つくるのと並行でお茶会。めちゃくちゃ贅沢な時間となりました。みゆきさん、ありがとうございます!


きょうは、3期生しゅんが遊びに来てくれました。ゼミでの実践や理論が、卒業後も直結でつながっているというのを聞いて嬉しいし、さらにしゅんがやっていることがゼミでも共有してほしいくらいすごく面白いことなので、これからまたなんか一緒にやりたい!!とワクワクが増えました!しゅん、今日の妄想トーク現実にしような!

しっかりもの」チーム(一部)。このメンバーだと何に挑戦しても、楽しみしかない(不安がない!)

2022年度 第2回文献ゼミ

第2回目文献ゼミではヌスバウムの文献で議論しました。理系と文系でわけて対立させて議論するとあまり意味がないので、科学的に考えること、アート的に考えること、の観点から会話をしました。そうすると、文系だといわれている国日の学生たちも実は、考え方はとても科学的、合理的考え方をしているよね、という発見。まさにヌスバウムがいいたかったことは、理系がどうたら人文学がどうたら、というのではなく、考え方の癖や知識に対するアプローチ(哲学的認識論)だというところに着地。そして、ヌスバウムがいう「省察の能力」とは何を意味しているのか、省察といってもどういう省察のことを示しているのか、というところを議論しました。アートベース研究とも深く関連するところなのでめちゃくちゃおもしろい会話が展開されました。

2023年度 第2回実践ゼミ

導入では「うちの猫知りませんか?」を実践しました。
このインプロは、とても「つまらない」ものにもなるし、とても「おもしろいもの」にすることもできます。参加者の動きによって、場を変化させていけるそんなインプロワークです。
振り返りを通して生まれてきた言葉は、
・自分から動くことで楽しめるし、楽しむために動こうとできた。
・リスクを冒すことも不安で安全な範囲で動こうとした。
・一方で、リスクを楽しむこともできた。
・誰かと交代する時になかなか目が合わなくて交代できなかった。
・積極的に目をあわせて交代することで参加できた。
・相手が目を合わせてくれることで、動けた。
・目が合わせやすい人と、合わせにくい人がいた。元々の関係性もあるけれど、目をあわせることで新たな関係構築にもなる。
・失敗を笑えるのがいい。うまくできないとやりたくなくなるので、鬼になってもいいや!という気持ちになれると参加しやすい。
・自分から動くのは難しくても、相手が目を合わせてくれることで、動いてみようという気持ちになる。動いてみれた。
・鬼をしてみて、猫を探しながら、隙間を見つけるのは難しかった。が、鬼の進め方によって周りの動きがかわったので、やりかたによっては、鬼の動きによって周りの動きをつくれる面白さもある。
など意見がでました。その後小さなグループで経験のシェアリングをしました。
苦手、楽しい、得意、しんどい、つまんない、笑える、などいろんな感情を経験できたなら、それは「自分らしい」感情であり、その感情や経験を通して言葉にしていくことが、「自分なりのことば」になります。自分の「感覚」にもっと光をあててそこから言葉や発見を生み出していきましょう。

後半は、しおりによるABRのプレゼンを行いました。
こちらがスライドですhttps://www.canva.com/design/DAFgjZpcGhQ/i_JioCb2LjGkmAyKfHU55Q/edit?utm_content=DAFgjZpcGhQ&utm_campaign=designshare&utm_medium=link2&utm_source=sharebutton

しおりのプレゼンを会話のきっかけとして、アートベース研究とは何か、はじめかた、その意義は?というところを話し始めました。ゼミには、音楽を作る人、ダンスをする人、演劇をする人などいろんな人がいるので、自分の探究したいテーマと目的にあわせながらも、得意なアート表現で研究できたらおもしろそう!とワクワクしました!

2023年度 第1回目実践ゼミ

みなさん、こんにちは。岸ゼミがはじまりました。
冒頭で説明したように岸ゼミは「デザイン」のゼミです。
その背景となるのは授業でやります。

◯メディアのデザイン→メディアリテラシーA
◯場のデザイン→インターネットと社会
◯コミュニケーションのデザイン/関係性のデザイン→共生と学びのデザイン論
◯教育/学習環境のデザイン→教育の方法と技術
◯よりよい社会づくりのための研究のデザイン/アクションのデザイン→アクションリサーチ
◯活動/プロジェクトのデザイン→特別演習

さぁ、デザイン(=アート)を学び、実践していきましょう!

第1回目の実践ゼミでは、ゼミ生が自分達でおうチームワークを構築、そのための環境を作っていくかにチャレンジするため、間違いを遊ぶゲーム(ジウンがやってくれたゲーム)と、Numbers Walkをしました。Numbers Walkの振り返りでは、
・ゼミをつくっていく上で、いつでも受け取る準備をしておくこと、よく聞く、ちゃんと届けようとすることが大切だということ
・つまり、相手が受け取りやすいように届けること、また相手が届けやすいように受け取るようにすること
・誰かがやってくれる、ではなく、「私がやるぞ!」と受け身から「自分ごと」にしてくこと
・うまくいかなくても、自分達で、Re Design(つくりかえること)ができるということ、そして、それを共同でやっていく(Co-Design)こと
・どんな小さな声でも違和感でも、ちゃんと拾って、みんなに届くようにしてくこと
などが見えてきました。同じ経験をしても、それぞれ見えてくること、感じれたことが違うことも「アート」です。

私たちは、科学的に発明された「知識」を獲得し、知識偏重の学びをこれまでしてきたのですが、
その知識に頼りすぎてしまうと、決まった答え、決まった考え、決まった行動、をしてしまいがちです。
知識は、何かを生み出すためのリソースであり、私たちは、知識(活動)を作り出せる力があります。
そのためのアプローチとして、私たちは「アート的」に活動をしていきたいと思います。

アートというと伝統的な絵画や彫刻を思い起こすかもしれませんが、私たちが使うアートは広義です。
今日のNumbers walkのように同じ経験からいろんな発見を生み出して、そこから自分達の考えに戻していくのもアート。
みんなの意見を聞きながら、ゼミの流れを作っていくのもアート。
(逆に、決まりきった方法で、きまりきった流れで、きまりきった答えを出すことを求めるのは科学的ともいえます)

次に、アート的に考えるってどういうこと?についてかずきのプレゼンを通して会話をしました。
https://www.canva.com/design/DAFgd-p4dRw/RbssoEcXRgySTvqthSi9oA/edit?utm_content=DAFgd-p4dRw&utm_campaign=designshare&utm_medium=link2&utm_source=sharebutton
ポイントは
・みんながそういってるから「そう考える」ではなく、私の感覚や経験を通した考えを大事にしていくこと。
・誰かが表現したこと/知識を消費するのではなく、「本当にそうかな?」と疑問を投げかけ、自分の考えを表現すること
・表現を通して、自分だけでなく、人に届け、共感を促し、少しでも違う視点や考えができる環境を自分達でつくっていくこと
です。

来週は、ABRについてしおりにプレゼンテーションしてもらい、もう少し理論的なことをしましょう。
まだ十分「腑に落ちなくてよいです」。実践を通して、腑に落ちたことを言葉にし、共有し、表現し、
そして自分達なりの表現を作り出していきましょう!

 

ゼミをみていると、いい感じに「交換」できてるなーと関心します。会話もモノローグにならないように、ちゃんと伝える、ちゃんと受け取る、の体(身体)ができてる。最初は、受け取ってもらえないかも、と思って、声が小さくなったり、体が小さくなったりすることもあるけれど、ちゃんと受け取ってもらえることがわかると、ちゃんと届けようと思う。ちゃんと届けようと思うと、ちゃんと受け取ってもらえる。とてもシンプルなことだけど、意外にこれができていないことが多いので、これを意識的にも、そしていつの間にか無意識にできているようになればいいなと思います。

20230312_ Donut play experiment について

様々なルーツを持った方と実際に行われた演劇のスクリプトを読む、演じるを4週間(1週間に一回)英語で実践しました。活動内容としてはスクリプトから一緒に英語を学んだり、その英語の単語などから異文化に触れました。加えて、スクリプトの内容からどのような異文化があるのかを話し合ったりしました。様々な差別問題、祭、国民の感性、文化などの話題が飛び交っていました。また、スクリプトを読む以外に、インプロゲームをたくさん経験しました。

例えば、pineapple emotion(果物の名前を言って感情を表すゲーム)、name game (名前を言って自分を表すジェスチャーで自己紹介する)、gift game(誰かにジェスチャーでプレゼントを渡してそれを当ててもらったり、考えてもらったりする)、Say something and do something else? (ゲームの名前忘れましたが、何かをやりながら、全く違う動作を言う、ex)歯磨きしながら、プールで泳いでると言う)、One truth and one lie(自分のことについて、嘘のエピソードと真実のエピソードや特徴を言ってどのエピソードが真実で嘘なのかを当ててもらう)、One ward (一人ずつ二つの言葉だけを言って、ストーリーをグループで作る)をしました。最後の週は実際に演劇を演じた俳優さんと女優さんが来てくださって質問して話を聞きました。

2 Donut play の実験から考えたこと

毎週日曜日、朝8:00だったので少し早かったですが、毎週とても楽しみにしていました。4週間で終わってしまったことが少し寂しいです。donut play の経験を通して、自分とは全く無関係の人を演じて気持ちを考えて、またその人の相手も演じて気持ちを考える経験から、私たちは物事を主観的に捉えがちで、それぞれの立場から考える力がつくと大きく人間関係や幸せレベルが変わると思いました。また、話を聞くだけでなく、演じることによって感じ取るものが多いと実感しました。学校などでそのような経験を重ねれば自然と違いを受け入れる姿勢ができるのではないかと推測します。パフォーマンスは私たちが持っている偏見、意識などを超えて、お互いに生じてしまう壁をなくすものだと認識しました。同じ国出身でもそれぞれ個人がさまざまな異文化背景を持っていることは当たり前で1+1=2のように物事を捉えてはいけないと改めて感じました。もっと気持ちをほぐし、お互いにゲームをしたり、演じたりすることはさまざまな意識的に考えていることを超えて、新たな境界に行かせてくれるので、それそこが一例として多文化共生に少しでもつながる活動なのではないかと実践を通して考えました。

20230128_中野ゼロで多文化共生ワークショップ

5期のさち、さきが中野ゼロと連携した英語講座を実施しました。ただの英語講座ではありません。ダイバーシティを体験しながら英語を使う教育実践です。さちたちが3年生ゼミで開発した教材をリメイクして、子どもむけに開発。当日は、13名の子どもが参加し、とても盛り上がりました!また参加したい!という子ども、保護者の声に、企画の二人もとても楽しめたようです。2月は、5期のゆき、わたる、ミンジュの企画です。詳細は近日中にさき、さちからウェブにて報告します!

20221221_5期生ゼミ

いい問いが、いい会話を生み出し、知の創造になる!と思う、輪読実践でした。読むだけだと、わかったつもり、で終わってしまうのだけれど、ちゃんと問いをもって読めば、本はたくさんの会話のきっかけを提供してくれます。3年ゼミでは、現在、ファシのしおときみかが問いを提示してくれてるのだけれど、なかなか良い問い!そして、その問いを、自分ごとにつなげげていく問いへと絞って会話をして、そこで「見えてきた」ことは全体にとっても面白い。「知る」ための輪読でなく「会話をはじめ、知を生み出す」輪読になっていってるのがとてもいい!まさに、Speaking completing thinking!

 

20221207_A little taste of Iran-イラン料理でゼミ懇親会

4期生 ゼミ懇親会☆ A little taste of Homeシリーズのイメージで、A little taste of Iran(イランの故郷の味を少しだけ)で、懇親会。自分からはエスニック料理はあんまりいかない!というゼミ生が言っていたので、みんなでイランの味を味わいながら会話できたのはよい体験になりました。今年のゼミは今日で終わり。みなさん、良いお年をお過ごしくださいませ!