3/21 トルコFW5日目 Mission Completed!

ガジアンテップ では、ゼミで取り組んでいるプロジェクト「A Little Taste of Syria:シリアの味を少しだけ」のレシピ本の国際協働制作のための活動を進めました。日本側は、けいじゅ、かんな、きょうこ、しゅんすけ、たつき、そしてプロの料理研究家のやすこさん、ウェブデザイナーのみきこさんで、これからつくっていく活動です。そのための土台となる現地の共同制作者と関係づくり、料理の作り方、味を共有し、さらに、それにまつわる彼らや家族の思い出、国や地域での思いについてお話を聞きました。今回、訪問させてもらったファミリーは4つのファミリーです。

画像に含まれている可能性があるもの:5人、、岸 磨貴子さん、鈴木 慶樹さん、Omar Alsaadiさんなど、、スマイル、屋外

オマールさんの家では、クッベやブラなど様々な料理をいただきました。オマールさんの祖父はパレスチナ人で、1948年にイスラエル建国の時に国を追われて難民となり、シリアのキャンプで生活をはじめました。オマールは3世代目。オマールさんはシリアで育ったのですが、彼が16歳の時にシリア内戦がはじまり、祖父と同じように故郷をおわれました。家族は、パレスチナ、そしてシリアと2回も故郷をおわれ、故郷とつなぐものはありませんが、唯一、家庭の味が彼らを故郷とつなぐものだといっていました。母から子へ受け繋げる味は、誰にも奪われることなく、場所に限られることなく、故郷とつながっていられるといっていました。

画像に含まれている可能性があるもの:8人、、岸 磨貴子さん、Omar Alsaadiさん、鈴木 慶樹さんなど、、スマイル、座ってる(複数の人)、テーブル、室内、食べ物

アヤさんの家では、フリーケという伝統料理をいただきました。アヤさんは大学院生です。アレッポ大学出身で、成績もトップ5だったのですが内戦で大学を続けることができずトルコにきました。最初は食べるものもなく本当に辛い生活をしていましたが、大学への奨学金を得ることができ、仕事もみつかり、生活が安定してきて、大学でだあった人と婚約し、トルコでの生活をはじめようとしているところでした。食事をする時、シリアにいたころの情景を思い浮かべるそうです。金曜日(日本では日曜日が祝日)にねていると台所からお母さんのつくる料理の香りがしてきて、目をさますそうです。お母さんのお手伝いをしようと、コーヒーをいれて家族のために食器を整え、お母さんが料理をしているのをみながらおしゃべりしていたそうです。そんな日常の当たり前の生活が今ではかなわないけれど、その記憶が彼女の今を支えてくれ、これから家族を自分が作り、母となるための土台にもなっているそうです。アヤさんは家族がバラバラですが、たまたま妹さんが出産したので家族が家に集まった時に私たちが訪問しました。アヤさんの家族の話を聞いてぐっと心にひびきました。

ハーリドさんの家では、モロヘイヤ料理をいただきました。ハーリドさんのお父さんはテコンドウの国際リフレーで海外にも試合に参加されている方です。しかし、内戦によりすべてを失い、幼いハーリドをつれてトルコにやってきました。私はお父さんを中心に話をきいたのですが、(ハーリドの話はけいじゅがきいた)この家族は、もともとロシア領のある小さな国出身で、祖父の時代に内戦がはじまり、国をおわれ、トルコ、そしてシリアにやってきました。シリアは彼らの家族を暖かく迎えてくれ、彼らはシリア人として生活をしてきたそうです。同じように同国から逃れてきた人たちがその地域にもいたので、シリアの生活をしながらも故郷の味を度々祖父母が作ってくれ、料理は彼らを故郷とつなぐ唯一のものだったそうです。シリアではあまり男の子が台所にたつことはないのですが、ハーリドの祖父母は、一緒に料理をし、一緒に片付けをし、一緒になんでもすることを大切にしていたので、自然と料理をふくめいろんなことを学んだそうです。なので、再び国を終われた今も、その時まなんだことを自然とできていて、それが故郷と自分たちの子どもをつなぐものになっていることに感謝しているといっていました。

ハジャルは砂漠の町パルミラ出身。ハジャルは、社会的に孤立している女性たちに刺繍を教えてそれを売り女性たちが自立できるようにコミュニティを組織しています。パルミラの女性たちはもともと絨毯をヌールという織り機で作る伝統があり、その経験と技術でカバンなどをつくっています。それで収入を得られるようになったとき、ふと周りをみると、息子と同じくらいの10代の女の子たちが、生きるために体を売らざるをえない現実、また、家族に収入がなく子どもが放置され(ネグレクトされ)、家族がバラバラになっている多くのシリア人家族の姿がありました。彼らの姿をみると、自分にも起こりえた現実だったと想像するといてもたってもいられなくなり、この活動をはじめました。とても賢く、強く、明るく素晴らしい女性で、私たちも彼女のこの活動を応援したいと思いました。

たくさんのお話を聞いたので、レシピ本の中でご紹介したいと思います。家庭の味、家族のものがたりを教えてくれたハーリド、アヤ、オマール、ハジャルに心から感謝です!

詳細はレシピ本にてご覧ください。皆さんのご支援、関心をお待ちしています!

さて、ガジアンテップ を出てイスタンブールへ!

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