2019.12.03 1期生慶樹のギリシャレポート①

【2019.12.03 One Happy Family Visit①】

非常にオープンな場所だと感じた。施設としても出入りが自由でオープンだと感じたし、そこにいる人々の表情も暗くはなくバスケやバトミントン、チェスをしたり友達と話をしたり、楽しんでいる人が多いと感じた。その一方ただ座っている人もいた。けどそれは各々が過ごしやすい状態で過ごしていることの現れだ。

スイス人ボランティアのニコラスさんは、明るく施設内を案内してくれた。

だいたいサッカーグラウンドの3分の2程の大きさのこの施設は、ギリシャ人の共住地区よりは遠くカラペレとモリア難民キャンプに非常に近い。

この施設は難民のためにではなく難民と「一緒に」運営しているコミュニティセンターだ。

基本的な英語を話せて施設のコンセプトを理解してくれる難民をボランティアとして巻き込んでいる。ただ運営を手伝ってもらうのではなく、徐々に慣れてきたらミーティングにも参加してもらい意思決定のプロセスにも入ってもらう。センター利用者との意思疎通の役割も果たしてくれ、なにより利用者のニーズを知っている。そのおかげもあってか、施設内には生活していくのに大切なコーナーがたくさんあった。

たとえば、修理屋。ここでは難民の人々が自分たちで壊れたものを再修理できるようなワークショップや実際の器具を揃えている。修理が難しいものは、その特技を持った難民がボランティアとして参加して直してくれる。スマホも修理してくれる場所があり、そこではアフガン人の修理のプロが腕を鳴らしていた。スマホは大切な人と連絡を通るのに不可欠な物。自分が行った時には簡単な素材で難民キャンプの断熱・保温補強の仕方を教えるワークショップが行われていた。そうか、次第に厳しい冬が迫っているんだなと個人的に感じた。他にも中東の人には欠かせない紅茶を提供するカフェ(砂糖はスプーン3杯まで)、衛生には欠かせない床屋、ダンスをできる野外スペースまであった。

そして何より素晴らしいのが、難民の人たちがそういったコーナーのスタッフであること。スタッフ同士のコミュニケーションもうまく取れていて、うまく動いていた。また、ボランティア自身偉そうにすることは決してなく、フレンドリーに振る舞っていた。

ボランティアになるための英語の基準はとても低いが、全く英語が話さない人はボランティアになることは難しい。これほど施設が整っているように感じるのに、そうした母国語をメインに話すボランティアも受け入れるような規模の拡大できないのは、目が行き届かないからとトレーニングが大変だからだと教えてくれた。ヨーロッパへの入国許可が下りればボランティアは終了しなくてはいけないため、新しくボランティアを研修することに苦労するそうだ。また、突然出国が決まった場合などは特に大変なんだそう。だからといって長期ボランティアが良いかというと、それだけ普段難民キャンプで長く辛い生活を送っているということになり、簡単にいいとは言えない複雑さがある。規模の拡大には資金力がモノを言うが、経済破綻をしたギリシャ政府からの援助は一切もらえず、維持をするのが精一杯だそう(それでもこの規模で維持しているのは素晴らしいことだと僕は思います)

これまでこうして継続的に運営できて発展していったのは、その「with」のアイデアに多くの人が支持したからと、運営側が尽力を尽くしてきたからだと強く感じたが、これほどまで発展したコミュニティでもこの規模が限界なのかとも現実的な視点も持つことができた。こうした発達的なコミュニティにどんな環境が必要なのかというのはすごく参考になったし、「お互いがGIVEをしあってコミュニティの中で成長していく理論」が、難民コミュニティの中でどれだけ具体的に実践されているのだろうということが現実的に知れてよかったです。今後深く勉強していく教育工学を、どれだけ難民問題の実践に落とせるか追求していきたいです。

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