2019.12.03. 1期生慶樹のギリシャレポート②

【2019.12.03. One Happy Family Visit②】

もうひとつ面白かったのが、配給制度。毎日一回歯ブラシ石鹸など物資提供がある。しかしこれにはドラクマという施設内限定の紙幣が必要。子供のいる親は、子育て配慮で一日2ドラクマ、子供は1ドラクマもらえ、物資をもらうのと引き換えにドラクマを支払う制度になっている。床屋やカフェなどもドラクマを使用しなくてはいけず、物によって必要とするドラクマの値段も違う(なんかゲームのルール説明みたいになってきた)。たとえば石鹸やシャンプーなどの生活必需品は1ドラクマだが、カフェで紅茶を飲むための専用コップは20ドラクマ必要となる。ただの配給ではなく、こうした「本当に街で購入しているような感覚になる」アイデアはすごくいいと思う。与えられるものをただもらう選択肢のない虚しさより、少しドラクマを貯めなくてはいけないものの、それによって貰える選択肢がいくつか増えるワクワク感の方が健康的だと感じる。

また、施設内にはいろいろなペインティングがあり、とても明るい気分にさせるなと思った。少し聞いてみると、ちょっとでも明るい気分になってもらいたいから、絵がうまい難民の方に描いてもらったと教えてくれた。一般の利用者が描いたものもあれば、ボランティアが作ったものもあるそう。それと、柵は全てペンキで塗るようにしているらしい。牢屋をイメージさせないためだそうだ。細かいところにも配慮がされていて感心させられた。

帰る頃には、アフガニスタンの青年たちが伝統ダンスを踊って遊んでいた。周りには20人くらいが囲んでステージを作っていて、数人の中で踊れる勇気のある若者がキメ顔で踊っていた。ここの人たちは本当に楽しんでいるんだなぁ。

現在、レスボス島の90%ほどがアフガン人で占めている。3年前はシリア人も多くそれこそカオスだったそうだが、今はシリア人は全体の10%ほどに減っている。それでも難民はまだまだ多いそうだ。

実際、自身が初めてたどり居ついた時の第一印象は、「めっちゃ人多い」だった。難民はギリシャ人とバスが区別されていていつも超満員でバス停には人でいっぱいだ。

施設内で言うと、教育センターもあって語学や数学などの授業もしている。教室も9つあって、生徒を200名受け持っているがそれでも需要に供給が追いつけず現在も参加待ちの子供達が多くいる。それはボランティアが足りていないことと、経済破綻しかけたギリシャの政策の限界から来ているんだそう。

そんな難民の現状も知った1日でした。One Happy Family様、ありがとうございました!

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