2018年11月14日 メリッサ・フレミング氏の講演会に参加して

2018年11月14日に学習環境デザイングループは、UNHCRのメリッサ・フレミング氏の講演会に参加しました。けいじゅが講演を聞いての感想をまとめてくれたのでアップします。

執筆:鈴木慶樹

講演会に参加して、感じたことを素直に話していこうと思う。

まず、シリア難民の国外避難の実情をしっかりと知ることができた。メリッサさんは、個々のシリア人に焦点を当てた”シリアからイタリアへ避難するまで”のお話を私たちに語り掛けてくれた。ストーリーに登場したドーワという16歳の少女は、彼氏に説得されヨーロッパへ国外避難することになった。途中、救命ボートに半ば強制的に乗り換えさせられ、彼氏を含む浸水や脱水症状で死んでいった多くの搭乗員の中で生き残り、彼女は二人の孤児を共にイタリアへたどり着く。中盤に、彼氏が愛を伝え海に沈んでいく姿を聞いて、自身がもし愛する人の前でそういった状況に陥ったらと考えてしまい、「悲しい・ひどい」といった単純な感情では表せない複雑な気持ちになった。一度メリッサのトークはTEDで聴講したことがあったけれど、彼女と同じ空間で聞く内容は、映像で見るのと違ってひしひしと伝わってくる空気感があった。

そして、以前難民の受け入れ時に起こりうる問題を考え解決する授業に参加していたが、その時に学んでいたように、壮絶な経験をした方々を「難民」という言葉でひとくくりにせず、その人本人と向き合うことがいかに大切かという事を思い出した。そのきっかけとなったのが、講演終了後の質疑応答の時間であった最後のコメント。「日本で”難民”というワードを使って支援を募っても、多くがその言葉を聞いて思うイメージを引きずって、関わろうとしてくれない。」「難民」と聞いて、僕たちはどんな印象を持つだろうか。おそらく、マイナスなイメージを持っている人は少なくないかもしれない。しかしそれは彼らのごく一部であって、決してすべてを表すことではない。その難民とされる人々は、もしかしたらとてもおいしいパンを作る温かい人かもしれないし、面白いこと好きで笑顔がすごく素敵な人かもしれない。ドーワは周りから「シリア難民」という目で見られる。しかし実際、イタリアについた後彼女はUNHCRから讃えられ賞を受賞したり、ヨーロッパの大学にも通うようになった。僕たちは、違うところよりも同じところであふれているはずだ。支援を増やすためにも、そしてひとくくりにされて悲しむ人を生まないためにも、「難民」という枠組みを超えて、それぞれの人生を歩んできた彼ら自身に目を向けるべきだと再確認した。僕が今できる支援として、募金もそうだし、こうしたインターネットを通じた発信も含まれると思う。難民問題だけにとどまらず、言葉でひとくくりにされて悲しむ人が生まれないよう、僕たちはこれからの生活を送って行こう。

最後に、一緒にいったアヨンの感想も!
「自分にとったは色々な、自分のやりたいことに関してももう一回考えをさせる本当に記憶に残る講演会になりました!」