Kannaのフィリピン・フィールドワーク報告

フィリピンでのフィールドワークの日々の報告をシェアします。
第5弾は、今回のフィールドワークで、いつも太陽のような笑顔でみんなを明るくしてくれた、かんな。

Day 1 -8.6 飛行機からのダバオの夜景

ダバオの夜景に感動しながら、けいじゅさん、えりかさんと空港で合流。マニラとはまた違って急にローカル感があるなと思いながらバスに揺られてえりかさん家に到着。家に着いてからもガールズトークで盛り上がり、フィリピン旅の楽しい幕開けとなった気がしました。

Day 2 -8.7マーケットのお肉屋さんのみなさんと

フィリピンのマーケットは不思議なことがいっぱい。1日に使う油の量ごとに袋詰めされているけれど、明らかに使用量が多いことや、店の陳列棚の上で普通に寝ている人、どの光景も私の目には物珍しく映りました。普段旅行先でもパシャパシャと写真を撮るけれど、岸先生に教えていただいた通り、「写真とってもいい?」と聞くことで会話が生まれ、より現地の人とのコミュニケーションが図れるようになったことに感動しました。この旅で写真や動画をたくさん撮って今後のアウトプットに使おうと意気込んでいたけれど、それらは手段に過ぎないのであって、でもコミュニケーションのきっかけになるものでもあると気づかされました。

@CCCで長谷川さんと

私はキャサリンさん、ジムさん、長谷川さんのお話を聞いて、これまでの途上国ビジネスに対する考えが大きく変わりました。長谷川さんはお世話になったフィリピンに恩返しがしたいと言う思いでビジネスを始め、日本の資本やノウハウを押し付けるのではなく、フィリピンの、ダバオの人々がやりたいことを地元でできることを可能にするという、どこまでも地元に沿ったビジネスはとても素敵なことだと思いました。私もそんな風に自分の故郷に恩返しができるようにしていきたいと感じました。

Day 3 -8.8 Mariphil で職員のみなさんと

NGOマリフィル・チルドレン・ビレッジを訪問しました。私は将来NGOで働きたいと思っていて、運営ややつどうにとても興味があるので、今回の訪問はとても有意義でした。一番驚いたのは、コープを作ったり、農園で野菜を育てて雇用を創出したりして、自給自足生活を実現するとともに、地域全体を巻き込んでNGOを運営していることです。ドイツ資本の団体だけれど、地域との関わりを大切に、密にしていることがわかり、素晴らしい活動だと思った。

その一方で、到着した時に綺麗に整えられた庭やカラフルな建物を見て、けいじゅさんが「おかねかけているなぁ」とぽろっとこぼしたのがすごく印象に残っています。自分の中でまだ結論は出ていないけれど、限られた予算の中で何が優先順位の上位に来るのか、とても考えさせられました。

Day 4 -8.9   HOJで豚の処理

豚の屠殺。昨日鶏を10羽の血抜き作業をやりたくなくて、豚を見にいく班に立候補しました。だからこそ、昨日可愛くブヒブヒ言っていた豚が、悲鳴をあげて殺される瞬間がとても残酷で、豚を捌く過程が進んでいくうちに見るのが気持ち悪くなってしまって、最後まで見届けることができませでした。その過程を直視できない自分はすごく無責任だと感じたし、なんでみんなはできているのに自分はできないんだろうという自己嫌悪をもありました。私がいつも食べている鶏や豚はこういう過程を経て自分の元に届いているわけで、私は知らないうちのこの過程を間接的に人に押し付けていたのだと気づかされました。今度スーパーで買い物をした時には、肉を買う時に消費への責任をひしひしと感じると思うし、フィリピンでの出来事を思い出してより生命とそれに関わった全ての人々に感謝の心を持つことができると思います。

Day 5 -8.10 ビーチでエリカ、ラブラブ、すずと

午前のセレモニー中に過呼吸と全身痙攣でたおれました。岸先生、良太先生、えりかさんがずっとつきっきりで看病してくださって、たくさんの人にご迷惑をかけてしまいました。午後はせっかくのビーチで遊ぶ予定でしたが、浜辺のベンチで療養。それでもゼミのみんなやHOJのみんなが体調を心配して声をかけに来てくれて本当に嬉しかったです。私は人一倍迷惑をかけた上に、みなさんに優しくしてもらって涙が出るほど感動しました。えりかとラブラブは全然写真を撮っていないからと沖の方まで連れ出してくれて、最高の1枚を一緒に撮ってくれました。フィリピンの愛がしみた1日でした。

Day 6 -8.11 メディア制作ゴール!

メディア制作!私がとても楽しみにしていたアクティビティです。ほのかと2人組になって中学1年生のジェエムに、マーケットと彼の通う学校を案内してもらいました。しかし、プロジェクトスタート時、ジェエムはびっくりするほど不機嫌で、どうなることやらと不安な気持ちでいっぱいでした。しかし、私のスマホを預けた瞬間、なんだかスイッチが入って町や私たちのことをたくさん撮ってくれました。会話を重ねていくうちにどんどん笑顔が増えて、インタビュー中も笑いかけてくれることが多くなりました。結局彼はなぜマーケットと学校を大切な友達に見せたいかの理由について教えてくれなかったのですが、友達想いで学校が大好きなジェエムにとっては特別な場所なんだなと微笑ましくなりました。

Day 7 -8.12「ココナッツ工場での写真」

4日目に行ったココナッツプランテーションで考えたことと重なり、一番自分の考えが間違っていた、とてもおこがましいと気づかされました。ネット検索だけではわからない、現実の労働状況に触れ、私は自分の目で確かめたこともない情報だけで全てを結論づけてきたのだと打ちひしがれました。過酷な労働環境、不当に聞こえてしまう契約、搾取にもみえる商社との構図。それでも、働いている人たちは、昔よりも良くなったからと現状に満足している。私から見たら、そんなの間違っている。でも現地の人は外部からの救済を望んでいるわけでもなく、ただいつもの仕事に取り組んでいるだけ。半ば諦めの気持ちを彼らから感じ、やるせなくなったと同時に、私たちの「このままでは良くない」「助けてあげよう」という考えは間違っているのか、それともそう感じてしまうこと自体が“格差”を生み出しているのかなのか、、、そんなことをぐるぐる考える1日でした。

Day 8 -8.13帰国!

HOJの子どもたちと離れてしまったことをすぐには実感できませんでしたが、寂しさはふとした瞬間に込み上げるもの。今回の旅ではフィリピンの美しさ、優しさ、愛に溢れた人々に出会って本当に素晴らしい経験になりました。またすぐに、本当に今すぐ戻ってお世話になった人や愛らしい子どもたちを抱きしめたい!

学びもたくさんありました。一言で表すなら、自分の目で確かめることの大切さ。ストリートチルドレン、途上国ビジネス、プランテーション、孤児院、などなど、今まで国際協力関係に興味があって調べていて、中途半端に知識があったからこそ、先入観と現実のギャップに驚きと戸惑いを隠せませんでした。これからは、何事も自分の目で見て、触れて、感じる体験をもっと増やして机上の知識だけで終わらせないようにしていきたいです。みなさん本当にありがとうございました!!