私は、何故「このように」考えているだろう? 私は、何故「このように」語るのだろう? 私は、何故「このように」行為するんだろう? こんな風に普段から考えている人はいないでしょう。 何か考えたり、話したり、行為したりするとき、何故?何故?なんていう前提を問い直すことはほとんどない。 けれど、こういう自分の思考、言葉、行為を時に問い直すことは大切だと思う。 先日、TOYOTAと電通、そしてソーシャルビジネス関係のメンバーで未来を考えるワークショップに参加した。 分野が違う人たちと意見交換するのはとても面白い。 人の考えは千差万別なので、「多様な見方」があるのは当たり前なんだけど、その「見方」をつくるその人の世界観が面白い。 そして、自分の世界観に気づくきっかけとなる。 このワークショップの目的は、、、たぶん、未来をイメージすることなのだと思う。 「自分たちが取り組んでいる課題が解決されたらどんな未来になるんだろうか?」 そういう問いをワークショップの最初に与えられて、改めて自分が何をめざして考え、語り、行為しているのかを振り返った。 私が取り組んでいる課題が解決されればどんな未来があるんだろうか? そんなイメージがすぐにできるわけじゃない。 そこで、ワークショップでは、いくつかのアクティビティが準備された。 まず、最初は、「ストーリーインタビュー」 3人が1組になってインタビューを行った。AさんがBさんにインタビューし、Cさんはその中から「Aさんがどんな変化をたどったのか、どんな価値観の変化があったのか、どういう価値観を持っていきているのか」に関するキーワードをメモ(ハーベスト)する。これを順番を変えて、3人が全ての役を担う。 これは、研究手法のひとつライフストーリーインタビューに似ている。ライフストーリーインタビューでは、語ることを通して,自分の経験してきたばらばらになったも のを結びつけて一貫性をもたらし、混沌としたものを整理したり、道筋をつけたり,経験 の秩序づけることができる。バラバラになったものをつなぐものはその人の価値観であることから、語りを通してその人の価値観を視る事ができる。ただ、話し手と聞き手は、話しの展開に焦点化するので、第三者(この場合Cさん)がメタ的に分析してその人の価値を見つけていく。 とても面白い取り組みだけれど、これは結構高度な方法。全体の話しの軸をみつけないとその人の価値世界はみえてこない。 質的研究者はこれをデータ起こしして、分析して、話し手の意味世界をさぐっていくんだけど、話しを聞いてメモをするだけでは なかなかそれは見えてこないんじゃないかな。 結局、メモをする人は、自分の世界観に基づいて気になった話題をトピックとしてあげてしまう(ハーベストしてしまう)だけになりそう。 次は、「フィッシュボウルダイアログ」 このアクティビティでは、先見的な考え方を持ったゲスト数名による「手にしたい未来」をテーマにダイアログを行う。他の人は、その周りを囲むようにして、ダイアログを聞きながら、気になったトピックをあげていくというもの。 このフィッシュボウルダウアログは、テーマが自分の専門とはだいぶ違ったり、経験値が大きく違う場合に有用な方法だと思いました。ミラツクギャザリングの場合、ソーシャルビジネスという共通の関心があるので、誰と同じテーブルになっても共通点が見いだしやすくダイアログしやすいのですが、ダイアログで中心となるテーマが自分の専門や関心がだいぶ違ってくると、ダイアログに参加しにくかったり、意見を出したとしても有機的に結びつかず、周辺的な参加になってしまうことがあるのかな、と(経験談)。たとえば、難民支援をしているNGO.NPOの人たちと普通の(※)学生たちがダイアログをするとなった場合、NGO/NPOの人たちは自分の世界観を深くまで語ることができないと思います。逆に、活動内容や方法が違っても同じ関心や問題意識を持っているNGO.NPOの人たち間でのダイアログの場合、それぞれの世界観を相互作用を通して深めていくことができるのかな。今回は、社会問題に取り組んでいるゲスト同士がダイアログすることで、ゲストの世界観を深く掘り下げ、そこから、WSのテーマとなるキーワードを周辺的に参加している人たちが見つけていくということでしょうか。 ただ、周辺的参加者の役割として、トピックを出来る限り出していきましたが、拡散的に出されたトピックが、WSのテーマ「自分たちが取り組んでいる課題が解決されたらどんな未来になるんだろうか?」とどうつながるのかが見えにくかったです。ポストイットを使ってアイデアをできるだけ出す(質より量を出す)ことは、よくWSでも実践されるけれど、それをどう新しい知につなげていくのかは、課題なのかな、と。(それは参加者のmatterといえばそうなんですけど(笑))。 もし、これがWSのテーマである「自分たちが取り組んでいる課題が解決されたらどんな未来になるんだろうか?」を参加者が考えるヒントとなる(足場となる)ようにデザインされているアクティビティであれば、それはそれで面白いかも!その場合、その後に一度WSのテーマに戻るような内省の場を持つとよいかも。 3つめのアクティビティは、「issue based dialog」 ・テーマ別で現場の課題を持ったトピックリーダーにトピックをあげてもらう ・トピックの背景を聞く ・トピックに対するアイデアを出す ・ダイアログの中に出て来たトピックを数点取り上げる このアクティビティも先の2つに続くものではなく、新たなアクティビティとして始まりました。 COBONが直面している課題を出してもらい、何故その問題が起こるのか、その解決のために何に取り組んでいるのか、この取り組みを通してどういう未来を創りたいのか、ということをダイアログしました。 最後は、トピックのMAPPING ・各パートで取り上げられたトピックを分類、構造化していく この段階になると、めざしたい社会のイメージが「ダイバーシティ」というキーワードをもとにまとまってきました。 そこで、マッピングする際には、解決したい課題を「多様性が受け入れられにくい社会」、解決された状態を「共創できる社会」と定義して、現在、この課題解決のために、どのような部分に焦点をあてて問題解決の取り組みがされているかということでまとめました。 私が取り組んでいる問題は、大きく言えば「幸せな社会づくり」。 幸せの定義は人によって違うから、それぞれが「幸せ」だと思えることを、 自分たちで創り出せるようになってほしい。 そのためには、教育って大切だし、経験って大切だし、問題解決能力って大切だし、 技術って大切だし、あれもこれも大切だから、大切だと思うことはすべて 学べるような学習環境をつくってあげたい。  ]]>

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