如何にグループ活動を円滑に進めるか。これが授業のひとつの課題でもある。グループ活動に対して、「学習への不安の軽減」「多角的な意見による新しい発想の獲得」といった肯定的な側面がある一方、グループ活動に参加できない学生もいる。これを学生のパーソナルな能力と捉えるか、または、授業設計(文脈のデザイン)の問題とするかで対応方法は異なる。ビビアン・バー(2005)の著書に、心理学で、このような個人の心理をどう捉えるかについて記述がある。

**引用**人前で話すとかあたらしい人々に会うなどと考えただけで強い不安を経験する人もいる。心理学は、このような人々を病的に内気な性格を持っているとみなすか(パーソナリティ特性という見解)、あるいは社会相互作用のルールに関する基本的な理解の獲得に失敗していると見なす(社会スキルという見解)。しかし、(中略)社会的スキルがないとされる人は、社会的相互作用のルールについて非常によく理解しているが、自分が主張している役割の演技あるいは「有能な社会的演技者」の演技が他者にとって説得力がないと恐れているので、それらを実践できないのかもしれない(ビビアン・バー2005, p.96-97)**
以上のように捉えれば、私の授業において、多様な規範や価値が教員および学生間で共有されていないため、学生がどのように振る舞えばいいのか、グループの中でどういう役割で参加すればいいのかが分からず、グループ活動への不安や不満がでてきたのかもしれない。どういうことが良しとされるのか、どういう価値観がそこにあるかを授業の中で共有していく必要があるといえる。
参考:ビビアン・バー(2005)社会心理学が描く人間の姿.ブレーン出版
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