今日の研修は、15分遅れで開始した。日本人としては、時間通りにすぐ始めたいのだけれど、カウンターパートは、何故かすごくのんびりしている。これがアラブなら、「アラブ人だから」と解釈できるが、ミャンマー人は時間にきっちりしているし、この「遅れ」をどう捉えるべきか、理解に困る。いつもなら、「早く始めろ」とせきたてて時間通りにやらせるのだが、今回は、「黙って見守る」を貫くことにしているため、私も我慢強く15分待った。見守るというのは、なかなか難しい。 一方、見守る中でわかったことがある。私がワークショップの実施・運営に深くかかわっていた時、カウンターパートは、何を判断しなければいけない場面において、必ず私に相談していた。いつも私は「自分で考えてみて!」と言うが、カウンターパートは自信がなく、私に相談せずにはいられなかったのだろう。たとえば、ワークショップの中で、参加者からUnexpectedな質問が出た時、「では、日本人専門家に聞いてみましょう」とすぐにヘルプを求めてくる。つまり、彼らにとっては、Improviseすることは難しかった。しかし、今回については、昨日のコンピュータの問題以外は全く私に頼ってこなかった。参加者からの質問に対しても、そのセッションを担当しているカウンターパートだけではなく、他のカウンターパートも考えを出し合って対応していた。そういう意味では、研修を自律的に実施できるようになったということができる。100%とは言えないが、安心して研修を任せられるようになってきた。 今日の研修は、授業研究についてである。これまでもすでに授業研究については研修で扱ってきたが、次のような問題があったため、再度、授業研究について考え直す機会をとることにした。問題の一つは、授業研究があまりにもフォーマルになりすぎて、形式的な活動になってしまっているということである。本来授業研究では、アットホームな環境で教員が、LCAを導入するために学び合う場である。ところが、教員は、授業研究では「正しいことしか言ってはいけない」という雰囲気があり、LCAについて経験のある教員しか参加できないのが現状であった。聞いているだけでも、新しく知ることはある。しかし、新しく知ったことを、実際に授業で実践してみて、うまくいかなかった場合、それは「その教員の指導が悪い」と評価されてしまうため、なかなか実践に移しにくいということが問題として挙げられた。分からないことを分からないという、問題については一緒に解決していく姿勢こそ授業研究で求められる。そこで、授業研究の意図をもう一度理解してもらい、計画しなおすことを目的として、今日の研修では、①うまくいっている授業研究の事例について紹介、②授業研究で取り扱うテーマについて再確認(Research Themeについて)、③授業研究におけるファシリテーターの役割、④授業研究の計画の立て直しの4つに関するアクティビティを実施した。 【授業研究におけるファシリテーターの役割】 授業研究におけるファシリテーターの役割について考える際、実践共同体を活性化させるためのFacilitatorに関する知見が役立つ。たとえば、Eラーニングにおいては、サロモンが、モデレーターの役割を5つの段階に分けて示している。 ①学習者を励まし動機づける段階 ②学習者の文化や社会的環境と学習環境との橋渡しを行う段階 ③学習者が課題に取り組んだり学習教材を利用するのを支援する段階 ④議論を引き出しメンバーによる知識の構築を支援する段階 ⑤学習者が互いにコメントし合い、学習過程を振り返えるのを支援する段階 これらの5つの支援は授業研究におけるファシリテーターの役割と同様である。しかしながら言うのは易しで、頭では分かっているけれど、というのが現状である。特にこの国では、トップダウンの文化が根付いているので、ファシリテーターが「何でも分からないことがあれば、学び合いましょう」といったところで、他の教員は、先輩や上司の前で「分からない」ことを正直に言うことができない。こんな文化の中ではたして授業研究ができるのか、と思うが、実際にできている教育大学があるのである。校長先生が率先して学び合いの文化を作り、教師をひきこんでいる教育大学があるのである。どういうプロセスで学び合いが成立したかについては、ICOME2010で発表したので、それを参照にされたい。 *** 無事に研修が終わった。参加者からReserch themeについて質問があったので、それについては私が答えたが、ほぼすべてカウンターパートだけで実施された。非常に満足である。この研修の成果がどう現れるか、来年のモニタリングが楽しみである。]]>

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