●3年生の研究授業を担当されたのは私の共同研究者であるM先生である。同様に単元は「なかま分けごっこをしよう(2時間扱い)」だが、対象は3年生であるため、2年生よりもAdvanceな内容になっている。利用した教材は、バナナ、オレンジ、ものの3種類のフルーツであるが、それぞれのカードには「仕入れた日(今日、1日前、2日目)」と「値段」の情報が書き込まれている。M先生は、導入部分で「今日は、あなたたちは店の店員です。お客さんに果物を売るために、どうやって果物を分けて売りますか。お皿は3枚あります。」と述べ、子どもたちにどの立場から本活動に参加するかを明確に示した。言い換えれば、単に「色」や「形」で分類させるのではなく、誰にとって、どういう分類がいいかについて、考える視点(立場)を示し、経験や日常生活と関連させて分類させようとしたのである。そこで、本時の到達目標を「3つに分類することができ、分類した理由を説明することができる」とし、さらにスーパーゴールとして日常生活に関連させて、何故それがいいかについて経験に基づいて説明することができるとした。子どもたちは、同じオレンジの写真でも「今日」「150円」のオレンジ、「一日前」「100円」と情報が違うカードをみて、しばらく考え込んでいた。値段で分けてしまうと、違う種類の違う果物のグループができてしまう。「仕入れ日」にした場合、種類も値段も違う果物のグループになってしまう。かなり試行錯誤しながら進めていた。15分が経過。とりあえず子どもたちは、3つの分類できたようだ。そして、M先生は、子どもたちにどのような視点で分類したかについて子どもたちに聞いた。以下子どもたちから出た意見である。 児童①「値段」で分類した。なぜなら、自分のお母さんは、安いほうをいつも買うので、値段によって分類したほうが、お客さんにとって選びやすい。 児童②「値段」で分類した。昔バブルだった時は高い値段でもみんな買ったけれど、今は不景気なので、値段で分けたほうが、買いやすい。高いほうがいい人は高いのを買うし、安いのがいい人は安いのを買う。 児童③「値段」で分類した。スーパーとかにいったら、値段で分類されているし、それがいいと思う。 児童④「果物の硬さ」で分類した。お年寄りの人は歯が弱いので、硬いものは食べれないかもしれない。だから、やらかい食べ物、固い食べ物とかで分けたほうがいい。 児童⑤「種があるかどうか」で分類した。お年寄りや子どもは種をのどに詰めるかもしれないので、種がない果物と種がある果物にわけた。 児童⑥「値段」で分類した。果物は残ると傷んでしまうので、早く仕入れたものは、早く売ったほうが売り手にとって良い。だから、値段を安くして早く売ったほうがいいので、値段で分類するとよい。 児童⑦「新鮮さ」で分類した。新鮮な果物を好む人もいるので、新鮮さで分類しました。 児童⑧「季節」で分類しました。どの果物が季節のものか分かるとお客さんは買いやすいと思う。 以上のような意見がでた。中には「形」や「色」で分類するという意見もあったが、それについては「何故か」という理由がでなかったため、理由がある分類方法、つまり、お勧めの分類方法について意見を求めたところ以上のような意見がでた。 M先生は最後に、「分類するっていいこと?」という発問をした。すると、児童は声を大きく「分類したほうがいい」と答えた。それに対して、M先生は「何故?」と聞くと、 「分類したほうが、何を買えばいいか分かる」、「何が安いかがわかる」、「何が季節の食べ物かがわかる」「適当にばらばらに置くと、何を選べばいいか分からない」」「どれが一番いいかがばらばらだと分からない」といった意見がでた。(ばらばらだと見た目が悪いという意見も1件あった。)つまり、分類したほうが判断する上で役に立つということを全員が共通して納得した。 このように児童は、分類する視点と方法、そして分類する理由と目的を本時を通して理解することができていた。さすがM先生だと思った。いろんなしかけが授業の中で展開され、児童はそのしかけにうまくのって、学習目的を到達していた。見ているだけでも興奮してしまう授業だった。 子どもたちの発想はとてもユニークで驚いた。こういうユニークな発想が生まれる授業というのは、もちろん教師の授業力だけれど、そういう力(発想力、想像力)を育てる環境とそれを生かす学級文化ができているからなのだと思う。自分の教授方法に対しても非常に参考になるし、M先生の授業をみると研究意欲が高まる。]]>

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