プロジェクトの作り方

3年生ゼミでは、同じような問題意識や興味関心に基づいてプロジェクトを立ち上げます。プロジェクトは3人以上で作ります。同じような問題意識や興味関心を持った人と一緒にプロジェクト活動を・・・とはいっても、やはりやりたいことはそれぞれ違っていたりして、なかなかひとつにまとめることは難しいかと思います。そこで、ここでは、プロジェクトを進めるためのステップを紹介したいと思います。ただし、この通りにすればうまくいく、というわけではなく、状況をみながら柔軟に調整をしていきましょう。

ワークショップ「社会相関図づくり」から自己紹介

A3の紙の真ん中に自分の名前をかいて○で囲みます。そこから、自分が関わっている団体や活動、よく行くお店、面白い人、よく行く場所、関心のあること、よくやること、趣味、関心のある授業などをできるだけたくさんかいてください。(留学生団体、GSJJC、シリア、インド、フェアトレード、教職課程など)

書いたものをプロジェクトメンバーを見せあいます。メンバーは、「これについてもっと詳しく教えて」とプロジェクトや自分に関連しそうなところを質問してください。そうすることによって共通の話題やプロジェクトのリソースになりそうなものが発見できるかと思います。

ワークショップ「プロジェクトのVision, Mission, Objective」

プロジェクトをするに至った背景にある自分のきかっけが原体験を言語化していきましょう。あらためて「なぜこの活動をするのか」ということを自分の言葉にしてみることで、見えてくることがあります。最初は、個人で1人に1枚、図2のようなワークシートを使います。まず、一番上に「私たちが取り組むプロジェクト活動は・・・です」と記入します。次に、ピラミッドチャートに、そのプロジェクト活動につながるきっかけ、原体験を思い出しながら書いていきます。あくまでもメモなので、丁寧に書く必要はありません。個人でこれが完成すれば、プロジェクトのメンバーとそれを共有します。

ワークショップ「つくりたい未来のイメージを共有する」

次に自分たちがどのような社会や未来をつくりたいかについてプロジェクトのメンバーと共有します。描いた未来を実現するために必要なことを考えます。
(1)準備するものはポストイットです。
(2)ポストイットに、描いた未来を実現するために必要なことを書き出します。質より量なので、できるだけたくさん紙に書き出します。黙って書くとアイデアがつまってしまうので、独り言でいいのでボソボソと声をだしながら書いていってください。
(3)アイデアがある程度でたら、類似したものをまとめながらカテゴリーを作っていきます。カテゴリーを作る際には、お互いに説明したり、質問したりしてください。大きな模造紙の上に配置して、カテゴリーにタイトルをつけます。
(4)カテゴリー間の関係をとらえながら、プロジェクトの全体像をみていきます。そして、プロジェクトがまざすビジョン、ミッション、オブジェクティブを言語化しましょう。

プロジェクトの企画をたてる「アクションを形態を考える」

プロジェクトにおけるアクションには大きく4つの分類があります。
・支援系:現場にいって支援をするアクション
・しくみを変える系:アドボカシー、映像などメディアを使って社会に訴えかける
・コミュニティづくり/場づくり:人が集まり関わりあう場をつくる。グループを立ち上げたり、他の団体と一緒に活動をしたりする。
・自分自身へのアクション:知る、調べる、選ぶ、スタディツアーやイベントに参加。できればそれを自分のものだけにせず、ブログなどに投稿して共有していく。

自分たちのプロジェクトではどのようなアクションを起こしていくのかについてイメージをつけましょう。

ワークショップ「アクションの4象限」

実際に活動をするとなるといろいろアイデアが出てくると思いますが、実現可能なのか、それはプロジェクトとして取り組むべきことか、など分析が必要です。そこで、自分たちがやりたいアクションをできるだけたくさん書き出して、それを図1にあるようなマップをつかって分析していきましょう。

アクションの例:

プロジェクトの企画をたてる「アクションの具体考える」

プロジェクトのゴールが決まったら、次にプロジェクトでどのような取り組みをしたいかについてブレインストーミングします。
(1)付箋紙を準備する。
(2)付箋紙に、質より量でアイデアをだしていく
(3)似たようなアイデアをまとめてカテゴリーをつくり、タイトルをつける
(4)カテゴリー間の関係をみながら全体像をつくる
(5)MUST/BETTERおよび時間がかかる/かからないの軸で、活動を整理して、アクションのプラン1、プラン2とつくっていく。

プロジェクトの企画をたてる「アクションリサーチ」

簡単にいうと、現場に入ってインタビューをしたり、問題の分析を行なったりして、どのようにしたら問題を解決できるかのプランをたてて実施し、評価することです。実施あに行動をしながら必要に応じてプランを修正しながら実施していきます。まちづくりなどはアクションリサーチといえます。

アクションの目的は、社会に直接働きかけるということもありますが、アクションのプロセスを通して参加している人もエンパワーメントされることに特徴があります。アクションリサーチでは、現場の人は支援の対象ではなく、一緒に問題解決する仲間になります。そのため、アクションをするみなさんも、一緒に活動する現場の人も一緒にエンパワーメントされていきます。

【参考文献】開発教育協会(2017)SOCIAL ACTION HANDBOOK