Video Résumé

Video Résumé

日本では外国人人材の受け入れにむけて法整備や地方自治体での取り組みが始まっています。高等教育においても留学生のキャリア支援が行われ、日本の大学を卒業した留学生の社会での活躍が期待されています。

しかし、外国人人材また留学生の就職においていくつかの課題もあります。

ひとつは、企業側と留学生(外国人人材)の考えのギャップです。たとえば、日本語を含み多言語を話しグローバルに活躍できる人材として企業で働きたいと考える留学生と、社内のダイバーシティを進めたいと考える企業では、考えにギャップがでます。

こういったギャップが起こる要因のひとつが、情報不足です。企業も、留学生(外国人人材)が何をしたいのか、どのような強みがあるかわかりません。そのため、他の日本人従業員と同じように扱います。一方、留学生(外国人人材)も自分のことを伝える機会があまりありません。

留学生の就職支援において重要なことはEmployabilityを高めることです。Employabilityとは「職を得る能力」と「雇用される能力」です。雇用先の企業が「この人面白いな」「この人とならこんなことできそうなら、やってみたいな」とその人のひととなりや一緒に仕事をするイメージが作れるような情報を提供することが大切だと考えました。

そこで、このプロジェクトでは、JAPIー日本国際化推進協会ーと連携して、留学生のキャリア開発のためのプロジェクトを立ち上げることになりました。

★JAPIのウェブはこちら★
http://japi.or.jp/

本プロジェクトの目的と意義

本プロジェクトの目的と意義は次の2つです。

第一に、留学生(外国人人材)が就職活動において自分のことを伝えるための情報として制作した映像をビデオ履歴書として利用できる。

第二に、日本と海外をつなぐ役割を担う明治大学の学生たちとの協働の経験ができる。この協働の経験が留学生(外国人人材)にとって日本人と共に働くひとつの経験となる。

プロジェクトのメンバー(作成中)

 

具体的に何をするの?

このプロジェクトでは、留学生(外国人人材)の「働くこと」についての「語り」を映像化していきます。その方法としてデジタルストーリーテリングという方法を使います。具体的には、語り(ストーリー)をデジタルに表現していくというものです。留学生の就職支援において、動機、人柄、性格、信念、価値の部分へアプローチすることが大切です。そのために「語り(ストーリー)」に着目します。

そして、その語りは、「日本と母国の中間点」からの語りであることが重要です。留学生が母国の価値観や考え方を日本の企業に伝えようとしても必ず伝わるわけではありません。日本の企業に伝わるようにするためには、その真ん中にたって語ることが重要です。

そこで、明治大学の学生がその役割を担います。明治大学の学生は留学生(外国人人材)の語りを聞いて、それをもとに、彼らが「日本と母国の真ん中」にたって語れるように一緒に物語をつくっていきます。

具体的なステップは次のとおりです。

(1)留学生が語りをつくる
これは不完全なものでよいです。まずは、「今の自分」の観点から次の3つについてかたります。
①今、していること、打ち込んでいること
② 何故それをしているのか
③ これからどうしたいのか(どう働きたいのか)

(2)留学生はその「語り」を日本側に送ります。

(3)明治大学の学生はその「語り」をもとに物語を深めるための質問をします。

(4)物語を留学生に戻します。

(5)留学生はその質問をもとに物語を完成し、シナリオをつくります。

(6)物語をICレコーダーで記録します。

(7)その内容に基づいて映像をインサートして映像を作成します。

(8)これでその留学生のvideo regimeは完成です。

(9)将来的にウェブが作れたらこれをアップします。

検討中の事項

・制作した映像をどこにアップするか
ーウェブを作るにはコストと労力がかかるため既存の枠組みを利用したい。

今後のスケジュール

【第5回目】
日時:2019年7月1日(月)海外拠点との打ち合わせ
場所:明治大学13F
参加:アヨン・レイ・ゆうきさん
あきらさん、ひなさん、阿部さん、Santさん、Ishanさん(確認中)
議題:
①プロジェクトの名前をきめる
②関係者のマップを完成させる(役割も含める)
③前回話し合った内容を海外拠点のみなさんに説明する(アヨン)
④上記③について海外拠点からのフィードバックを得る
(特に目的と方法のところについて)
⑤まずは1本完成にむけて具体的なスケジュールをたてる。
⑥その他(次回の全体会議の日程調整)

【第6回目】
日時:2019年7月8日(月)19:00-20:30
場所:明治大学13F
参加:アヨン・たつき、ゆうきさん、Nさん、ナタリーさん
議題:
・Nさんとのオンライン会議(スクリプト作成)
・ナタリーさんへのプロジェクトについての作成

【第7回目】
日時:2019年7月9日(火)19:00-21:00
場所:明治大学13F
参加:アヨン・たつき
議題:

 

活動の様子

2019年@月@日 JAPI海外拠点とプロジェクトの意見交換

2019年6月3日 映像コンテンツのサンプルビデオの制作

2019年6月10日 プロジェクトの草案を海外拠点に提案(明治大)

2019年7月2日 Video Regimeの意義とプロセスについての説明(アヨンさん)

アヨンさんの例(最終のシナリオのイメージ)

(1)今何をしていますか?
私は韓国人留学生のアヨンです。今、明治大学の三年生です。私が今がんばっていることは、インターネットを活用して、ミャンマー、インド、インドネシアの国とつなぎながら「はたらく」をテーマとした異文化間の協働プロジェクトです。このプロジェクトは、日本国際化推進協会と連携しており、日本で就職を考える外国人人材の就職支援として位置付けています。具体的には、外国人人材として来日する方が、日本の企業や日本人に自分の「ひととなり」を伝えることができるVideo Regimeを制作することです。

(2)なぜ、それをしていますか?
私自身、留学生です。現在、日本で就職をするための活動をしていますが、多くの困難を感じています。これまで日常生活において日本で生活に不自由を感じたことはありませんでした。しかし、就職活動を通して、明確に自分の考えややっていることを伝えれなかったり、働くということのイメージをうまく表現できなかったりしました。日常生活では問題がなくても「はたらく」ことについて日本人や日本企業に説明することはなぜこんなに難しいのだろう」と私自身とても疑問に思い、その理由を追求したいと思いました。これは、私だけではなく、留学生や外国人人材も同じ経験をする可能性があります。そのような中、国際化推進協会が留学生の就職キャリア支援をしていることを知り、連携しながらこのプロジェクトをはじめることになりました。

(3)これから何をしたいですか?
このプロジェクトでは、インターネットと通して、直接あったことがない多くの関係者と意見を交換しながら、活動を作ってきました。時には意見がぶつかり、方向性が見えなくなることもありましたが、お互いにとって意義のある活動になるようになんども議論を重ね、作り上げてきました。この活動を通して、異なる文化的背景や意見の違う人たちと共に何か新しいことを生み出していくこと、また、インターネットの技術を用いて、意見を共有したり、可視化したり、議論を進めたりする方法を学びました。これらの経験をもとに、人材ビジネス関係または教育関係の仕事につきたいと思いました。このプロジェクトでは、多様な人が関わり合い、ひとりひとりが成長の経験をすることができました。このように、人が「よりよく」関わることができれば、人は多く学ぶことができます。よりよく関わるためには、異文化間のコミュニケーションを円滑に進めること、また、それぞれの強みを活かせる場が重要だと思いました。このプロジェクトを通してこれらについて専門的に学び、この知見や経験を仕事に生かしたいと思います。

2019年7月8日 ミャンマーのNさんとテレビ会議でスクリプト作成

2019年7月15日(月) ミャンマーのNさんとテレビ会議でスクリプト作成