『質問から始まる異文化/他者理解』ワークショップ(国際連携)

2019年1月9日@明治大学中野キャンパスにて、岸ゼミは、米国ニューヨークでプロのパフォーマンスワークショップファシリテータとして活躍されている宮本まりさんをお招きして演劇手法(インプロ/シアターゲーム/パフォーマンスゲーム)ワークショップを実施します。テーマは「質問」からはじまる他者(異文化)理解です。

大学でも社会でも「自分の意見をいう」「質問をする」という機会がとても多くあります。ところが、「何か意見や質問がありますか?」と言われても、なかなか手をあげること、発言することが難しいと感じてはいませんか?それはなぜでしょうか?「つまらない意見と思われちゃうかも」「理解していないと思われるかも」「他にもっといい意見や質問をする人がいるかも」といろんな理由を心の中でつぶやいてはいませんか?
 私たちは「正しく理解すること」「理解した上で意見をいうこと」「質問は内容理解の上に成り立つもの」と思い込んでいませんか?実は、意見や質問は、会話を生み出す種であり、他者(文化)理解のはじまりであり、関係性構築の土台です。本ワークショップでは、みなさんに「意見すること」「質問すること」で遊んでいただくと同時に、それを通して他者(異文化)への理解を共同的に構築し、関係性を生み出していく体験をしてもらいたいと思います。加えて、誰もが発言し、質問しやすい場を生み出せるデザイナーとしてのファシリテーションのワザも学んでいただければと思います。

多くの問いを生み出す価値ある経験をさせてもらったので、しっかり記録をし用と思います(参加者したみんなに、言語化するように!と最後伝えたので私自身有言実行です)。では、まず1つめのアクティビティ。

17:30にスタート。参加者は25名。留学生10名、日本人学生10名、学外から学校教員など5名。学生は1年生から4年生までという多様なバックグラウンドをもった参加者ではじまりました。

アクティビティ【1】Back Writing

最初に自分の背中に洗濯ハサミで紙を一枚貼り付ける。準備できました。そして、「自由に歩いて、合図をしたらハイタッチをしてペアを作ってください」という言葉で全体が動きだす。万里さんの合図でハイタッチしてペアに。そして、【その人を見て浮かべる人の名前を後ろの紙に書く】これを何回かする。2つめは、【その人が生まれた場所(イメージ)】、3つめは【苦手そうなこと】、最後(4つめ)は【その人の強み、得意そうなこと】とそれぞれ何回かしたあとに順番に問いをかえながら全体とハイタッチしていく。初めて会う人同士が多い中、積極的に知り合っていこうと動く人もいれば、知っている者同士の近くをウロウロして新しい人と交わらない人もいる。「全体で交わってほしいー!」と心で念じるけれど、ある一部の人(うちのゼミ生)は割と固まっていたように思います。これがこの3時間でほぐれていくことができるか見たいという気持ちもでました。

4つの問いについていろんな人に書いてもらったあと、その紙をみて「一番そうだな」と思うものに○をつけて一人ずつ発表。まりさんからは「それについてどう感じた?」と問われ、ひとりずつ答えていく。

このアクティビティは、自分が他者からどう見られているのか(第一印象として)に加えて、自分がそう思われて、「嬉しいのか/嫌なのか/そう思われ続けたいのか/居心地が悪いのか/違和感があるのか」など自分がどう感じるかについて向き合うことで、自分自身について知る(問いを持つ)ものである。たとえば、「美味しそうにご飯たべてそう」と言われて「嬉しい」と思うのは「なぜなのか」「ギャルが苦手そう」と言われて「違和感を感じない」のは「なぜなのか」問いを持つことで、自分自身の内なる感情に気づくというものである。

が、実際の振り返りでは、万里さんが「どう感じますか?」と毎回質問しても、全員が「あっていると思う」「その通り」「どうしてわかったのか」といった「どう考えたのか」を中心に答えていた。このやりとりを含めて、いろいろ考えさせられることがたくさんあった。

★この活動を通して学んだこと・考えたこと・問い

第一に、なぜ参加者は、万里さんが「How do you feel?」と毎回問いかけているのに、感じたことではなく、考えたことを答えてしまうのか。これについて、WSのあと振り返りをしてでてきたのは次の気づき。私たち日本人(おそらく今回参加したアジア系留学生も)は、学校教育の中で「知る」を重視した教育を受けてきた。そのため、何か問われると「何を知ったのか」「何がわかったのか」についてついつい(無意識に)答えてしまう。これまで学校教育の中で「どう感じたか」ということはほとんど問われてきていなかった。だから、万里さんが「どう感じているのか?」と聞いても、頭の中で「それについてどう思うのか」と解釈して答えていたようだ。この指摘を受けて、「確かに!」と気付かされた人は多かったようです。まさに自己理解のきっかけとなった。

第二に、このアクティビティをすごく長く感じた人が多かったこと。WSのあと8名で振り返りをし、万里さんを除く7名がこのアクティビティがすごく長いと感じたと答えていた。その理由として、一人一人発表している時、周りが関心を持って聞いていない態度をみて早く終わらないかな、終わらせれないかな、という気持ちが焦ってしまったこと。実際、全く聞く態度のない人がいて、その態度をみていられなくて、早く次の活動に行けばいいのにと私も思ってしまった。去年のゼミで「好奇心をパフォーマンスすること」が、話者のパフォーマンスの質をあげるということを話したばかりなのに全然できていないどころか、周りの人にとても影響を与えているのがすぐにわかった。一方万里さんは、これを通して「どう我慢をするのかをみる」ことをしていたようだ。なるほど!ホルツマン先生のワークショップでも同じような経験をした。どういう経験かというと、対話セッションで沈黙が長くて、誰もがなんか話さなきゃと焦ったり、unconfortableな感じを受けた時間があった。これに対してホルツマン先生が「なぜ、沈黙に対してunconfortableを感じたり焦ったりするのか、自分に問うきっかけをもらったことがある。今回のケースも同じだと思った。私がファシリテートしていたなら、きっとこのアクティビティは途中でやめて場面を変えてしまうと思う。なぜなら自分も我慢できないから。その我慢を感じること自体に、自分を知る機会が埋め込まれたということに気付かされ、改めて深いと思った。加えて、周りの反応によって時間の流れの感じ方を変えさせるということを知った。みんなが楽しんでいる時は時間があっという間に過ぎるが、今回のように安心を示さない、聞く態度になっていない人がいると、それをみてられなくて、時間がすごく長く感じたりする。時間の感じ方が環境によって左右されることを改めて実感した。

第三に、やる気がない(参加する気がない)参加者を含めてワークショップをすることの意義や価値、可能性や課題を考えさせられた。本来価値ある時間を作り出せるはずの場で一部の人の態度によってそれが壊される可能性があることを実感した。これまでのワークショップは基本的に同じ興味関心、問題意識を持った人が集まってやってるので、みんなでギブしあいながら価値を生み出すことができる。しかし、今回はゼミ1期生に限ってはゼミとして参加を義務づけたので、その関心のなさの態度の他者への影響力が大きかった。これについてWS後の振り返りで「そういった人や態度もインプロしながら場を作っていくのがめざすべきところじゃないか」という意見もあるが、一方で「学びたい人にマイナスの影響を与えるならやる気のある人だけでやったほうがいいんじゃないか」という意見もあった。また、「最初はやる気がなくても、何かがきっかけでブレイクスルーすることがあるから、焦らず暖かく見守ることも大切」という意見もある一方で、「暖かく見守る役割を担っているんだ、という意識を持った参加者だけではない」という意見もあった。これについても引き続き自分への問い(課題)として考えていきたい。

第4に、第3の課題と近いのだけれど、人の話の聞き方として「ちゃんと関心を示して聞いてほしい」というのは私の押し付けなのか、それとも?。聞き方にもいろんな聞き方があるのでそれでよしとすべきなのか。それとも、人は社会的なものなのだから、社会における自分のポジショニングを意識してパフォーマンスできるようになっていくことをめざしていくのか。ゼミでは後者で「好奇心をパフォーマンスする」ことの重要性を理論および実践として学んできてはいるけれど、今回はできていなかった。それを「できていない」とするのか、それとも「できていないこと」が可視化されないように場を変えるべきだったのか。たとえば、のどか先生が「長い間立って話を聞くと疲れるので、だらってしてしまうと、関心がないように見えてしまうので、椅子に座って聞くなどすれば、もう少し聞く態度になったかもしれない」と言っていた。確かに!今回「関心がない」ということが態度に出ている人が割といたので、それが上述した課題でもあった。であれば、それを見えにくくすることもできたかもしれない。実際「関心がない」ように見えたけれど、そうではなく単に立つのが疲れていただけかもしれないと解釈もできる。腕を組んでだらっとして立っているとどうしても「拒絶」「無関心」を表出してしまう。それが「問題」にならないようにするというのもひとつのアプローチかな、と思った。

これが最初のアクティビティ。もう一つ目なのに、「自己」「他者」「文化」について問いがたくさん!

アクティビティ【2】サンキューゲーム

2つ目のアクティビティは、サンキューゲーム。これは、割とインプロワークではよくやるので、今回の参加者の3分の1は経験者。いつもは、インプロやパフォーマンスアプローチに関心のある人が集まるワークショップでやるけれど、今回は、最初に述べたように必ずしもそうじゃない。そういう参加者の中でどれくらいこれができるのか、ドキドキ。

2つのグループに分かれた。1つのグループが13人くらいずつ。1つのグループは万里さんが、もうひとつのグループは私が入ることになった。円になる。うち一人が円の真ん中にたって、ポーズをとる。そのポーズに、円から誰かがポーズを足して意味あるパフォーマンスをつくる。それがmake senseであれば、つけたしてくれた人に「thank you」といって、元の人は円に戻る。付け加えた人は、そのままのポーズで次の人が、ポーズを足してくれるのを待つ。

次は、セリフを加える。ポーズを加える人が言葉を加える。「それ重そうだね。一緒に持とうか」「どすこーい」などセリフを入れるだけで場面がより具体的になる。セリフ無しの時はmake senseになっていなくても「thank you」といって次に進んでしまうこともあるが、セリフがあると全体がわかるように場面が作られていく。

アクティビティ【3】Freez Tag

さらに次のステップは、セリフに加えて動作も加える。たとえば、野球をしているところだと野球のバッターとピッチャーのパフォーマンスを続ける。そして、「freeze!」というとその場面でポーズをとめて、2人のうちどちらかと交代する。どちらと変わっても良くて、交代したらその場面から、そのポーズの状態からセリフと動作を加えて別のシーンを作る。同じポーズでもセリフと続く動作が違えば全然違うものを生み出せる楽しさを実感できた。

この活動は、「自分が不安に思っていることは、実はそうじゃなかった」と気づくきっかけとなる(とわれているし、私もそうだと思う)。このThank you Gameはインプロワークとしてよく行われる。「やり方をしらないこと、どうすればいいかわからないこと」をするのを、多くの人は躊躇し、不安に感じる。「こんなポーズ面白くないかも」「つまらないと思われる」「間違っていたらどうしよう」こういう感情は誰にでもあり、他者の自分に対する「見られ方」の不安でもある。これをブレイクスルーするためには「何をやっても誰かがかならず受け取ってくれる」ということを身体を通して感じるということが大切。Thank you Gameはそういった機会になる。まさに、他者を知り、自己を知る活動であるといえる。また、即興的に意味が生み出される場に自分が身を置くことで、「知らないまま成長する/知ることに頼らず成長する(Non-knowing Growing)」を体験できる。

★この活動を通して学んだこと・考えたこと・問い

第一に、自分の我慢の弱さを実感したこと。この活動は、割とトントントンと進んだが、参加しているのは一部の人だけ。みんなに参加してもらいたくて、時間をとったりしたけれど、円の中にいる人が、「早く次の人!」というサインを出しているので、それを受け取らないわけにいかず、誰も出ないと自分がでてしまう。場面を作るのは単純に面白いので、全く苦痛はないけれど、みんなに参加してもらいたいという気持ちもあり、参加しやすい、わかりやすいポーズをあえて作ったり、目配せをして合図を送るんだけれど、一歩前に出ない人を引き出すことはできなかった。結果、自分が動いてしまう。よく言えば、動きを生み出しているといえるけれど、やっぱり我慢が足りたいのかしら?インプロのファシリテータをする際に常に直面していた問いなので深めたい。

第二に、「知る」ということが身体を束縛するということ。この活動の後の休憩で、参加していなかった学生3人に話を聞いたところ「どういうポーズを取ろうか考え流(思いつく)前に誰かがポーズを決めてついていけなかった」「こんなポーズは間違っているかもと不安になって参加できなかった」「すごく頭を使ってついていけなかった」といっていた。「知らないと動けない」というのは、まさに今回のワークショップの問題提起でもあった。「知らないと質問できない」「知らないとコメントできない」と知ることに偏重する教育を受けてきた私たちは、「知らないと」動けない身体になっている。これは、それをほぐすための活動だけれど、これをブレイクスルーするのはなかなか難しい。もともと、万里さんは、この活動の前にいくつか、凝り固まった身体をほぐすスモールステップの活動(※)を予定していたのだけれど時間がなくなってしまい飛ばした。改めて、スモールステップで身体をほぐすことが大切だということを確認できた。

第3に、毎回、Thank you gameでは起こりうることなんだけれど、「変わろう(参加しよう)としている人」と「変わろう(参加しよう)としていない人」ではやっぱり違うと思った。「変わろう(参加しよう)としているけれど、一歩踏み出せない」場合、なんとなく全体が、参加しやすいように場をつくっていこうという意識になっていくが、最初から「変わろう(参加しよう)としていない」人がいる場合、「一部の人ばっかりでやってて、いいのかな、これ」と周りが不安になってくる。結果、単純に楽しめる活動なのに、申し訳なさがでてきてしまう。ヴィゴツキーの「遊び」の概念においても、「遊びを通して”頭一つ分の成長”をする」というのは、そこにいる人が一緒に遊ぼうとしていることが前提になっている。一緒に遊ぶ気がないならそれは遊びとして成り立たない。結果として、参加しなくない人は、こういうワークショップには強制的に参加させないほうがいいのかもしれない。これについて引き続き考えていきたい(これについて、佐久間先生とかなり議論したけれど答えがでなかった)。

※今回スキップしたけど、教えてもらった身体をほぐすための2つのワーク

その1:ポーズで自己紹介

円になる。そして、「自分の性格」「生まれた場所」などお題に合わせて、それに関するポーズをつくる。相手の名前をいいながらそのポーズをして、右の人にお渡す。相手は受け取ったポーズをしながら相手の名前をいって受け取る。次に、右の人に同じように相手の名前を言いながら、自分のポーズを渡す。相手は、そのポーズを受け取りながら、相手の名前をいう。それをしながら回していく。1周回ったらそれを同時に進めていく(私の聞いた記憶が正しければこんなアクティビティ。やってみたい!)

その2:言葉あて

2列に並ぶ。それぞれの列に、画用紙に言葉(名詞または形容詞と名詞)がかかれている。そのカードを持った列の最初の人は、その言葉を言わずに、それを意味するポーズをつくる。他の人が分からなければ、次の人がポーズを足す。こうやって少しずつヒントをポーズで出していって、もう一つの列の人に当ててもらう。たとえば、「工場」「裁判所」「無口な店員」とか。面白そう!やってみたい!

アクティビティ【4】Meisner technique

最初に3人1組みになる。そして、AとBは向かい合わせにたつ。Cは、その間にたち、合図「GO!」を送る。Aは横を向き、Bをみなおようにする。そして、Cの合図をうけたら、Bをパッとみて、見えたものを口にする。たとえば「目、鼻、口」「セーター、マフラー、髪」「ピアス、目、ネックレス」など。同じことを順番を変えて、A,B,Cがそれぞれ経験する。次に、見たものの情報に「形容詞」をつけて同じようにする。たとえば「ウールのセーター、黒い髪、明るい口紅」などである。ただし「疲れた顔」「暖かそうなセーター」など、見ることでわかるものではないものはNG。見てわかるものだけをみる。

この活動は、一瞬で私たちが人から何を「見る」のかを知るための活動である。役者養成で、一瞬で相手から情報を読むトレーニングをするために行われる。舞台(特に即興劇)の上では、役者の表情、動き、持っているものなどから情報をぱっと得て、すぐに反応していくことになる。それは舞台だけのことではなく、日常的に行なっていることで、麻里さんが例に出していたように電車の中でも空いた場所に座る、座らないかは周りの人や動きをみて判断したりするので、割と普段していること。しかし、これが2人以上のコミュニケーションになると、私たちは案外相手のことを「知っているつもり」でみて多くのキーを見逃してしまっている。相手が持つ情報をキャッチできると、会話を生み出したり、コミュニケーションの鍵をみつけたりできる。そのためには、「じーっと」見るのではなく、一瞬でその情報を得られるというのはすごくいいな、と思いました。これを少しアレンジすれば、グループワークする前のアイスブレーキングになるなって思った。

★この活動を通して学んだこと・考えたこと・問い

第一に、私は相手を「見ている」ようで以外と「見たと思い込んでいる」ということである。「目、鼻、口」というのは見て答えているというより、知っていることをすぐに答えしまう。形容詞をつけることで「じっくり」見なければならなくなってしまう。じっと見てしまうのは相手にとって圧力をかけてしまうのでできるだけ一瞬で情報を得ようとするけれど、見て、言語化するにも時間がかかる。会話は基本「言語化」なので、やはり見てすぐに言語化するトレーニングっって大切だと思った。テレビで芸人さんとかが人の会話や動きを即座にキャッチして会話をつくるのをみてすごいなっていつも思っているんだけど、その体験をさせてもらえたな、と思った。

第二に、見たものを3つあげるという指示に対して、どの情報を選ぶか、割と判断してしまっていることに気づいた。たとえば、「細い目」「大きな口」といったものが目にはいっても、それは言わないほうがいいかな、他のもの、他のものと探してしまう。みたものをさっと言葉に出すんだけど、言葉に出す際にはやっぱり他者性がそこにはあって、見たものがそのまま出るわけではないと思った。そう考えると、最初もそうだけれど、自分の経験、視点、価値観、判断などが言語化するにあたってとても作用していることがわかった。

アクティビティ【5】一方的な質問をするパートナー orignated by Mari

A、B、Cと役割を決めて、それぞれが役割を担う。
A=演者1
B=演者2
C=観察
そして、麻里さんからインストラクションがある。

「AとBが会話をします。Cは、AとBの関係性を決めてください。たとえば、上司と部下、親子、医者と患者、店員と客などです。そして、Cは、今から行うAとBの会話を観察してください。AとBは2回会話をします。最初の会話では、Aが何か問題(?)をいいます。たとえば「犬が逃げちゃってどっかにいったの」「必修落として卒業できなくなっちゃった」「大型案件の契約とれませんでした」「課題忘れてしまいました」などです。それに対して、Bはそれに対して一方的にまくし立てます。Aはそれに対して答えますが、とにかくBは聞く耳もたずで一方的にまくしたてます。次は、同じ問題を、相手に共感しながら話をきいてください。

同じ内容でも相手の聞き方に寄って会話はどのように展開されるのかがとてもよく実感できるワークでした。それぞれのグループの感想をビデオでシェアしたいと思います。

アクティビティ【6】Short Drama

最後に行なったのは、三人人組みで作る短い劇。3人の新年の抱負(New year Resolution)の共通点を軸とした短い(2分間)寸劇を作るというもの。与えられた時間は10分。この短い時間の間に、1年の抱負を共有し、ドラマを作ることになった。

★この活動を通して学んだこと・考えたこと・問い

今日の参加者のうち3分の1が1年間一緒にゼミ活動をしてきた学生だったが、ゼミではあまり見れなかった(私が見落としていた)学生たちに多様な側面を見ることができました。特に留学生のジェシクとイムくんのパフォーマンスをみて、本当に感動をしました。ゼミでは学生たちの強みをできるだけ引き出していけるようにしたいと思っていたけれど、かなり限定的に彼らの強み(才能)しか見えてなかったと思いました。立場を変え、場面を変え、コミュニケーションを変え、関係性を変えることで見えてくる可能性とそこから生み出される創造性に感動しました。

また、2分間の寸劇を作るとなったとき「えー」と不安の声があがったけれど、そのたった10分後には、audienceを感動させる物語ができていました。作ることがとても難しいかったからこそ、他のチームが何をどう表現するのかaudienceもすごく関心を持っていました。みんなの関心が、performerのほうに向かっている時のパワーはすごいと思いました。

参加者からの振り返り

・とても貴重な経験をありがとうございあした。とにかく、hチオに話す、伝えることをもっと意識しようと思います。人見知りな自分ですが、少し気をつけてみようと思います。
・今日は初めはあまりよく知らない人たちと一緒に活動をすることが怖くて、参加できるのかと悩みましたが、行う中で、知らなくてもコミュニケーションをすることで、お互いが知らないことは人と人には重要ではないんだと思いました。新しい気づきがあるとても楽しい時間でした。
・魅力を感じました。
・いろんなゲームをしてすごく楽しかったです。Actingするのもすごく良かったです。
・初めてゼミの活動に参加したので初めはドキドキが大半だったのですがゲームを通して楽しい気持ちでいっぱいになりました!もっと場を作るコミュニケーションを知りたいと思いましたし、どんなことにも想像力って大切だと感じました。
・参加型のワークショップだったのでとても楽しく気づきもありました。
・あたらしい経験ができてとても楽しかったです。
・たくみがかっこよかった。
・楽しみながら経験し、present talentがみれた。
・みんな演じるのが上手!
・初めてのことでしたがなんとかできて嬉しかったです!
・はじめてアウトプットすることの大切さを学びました。
・いろんな立場の人々とインプロ、楽しい!
・久しぶりにインプロ。関係を決めて会話をする、など学びが多かったです。教員なので授業にも活用したいです。
・めちゃ楽しかったです。普段話さない人ともたくさん話せた!

最後に、場(学習環境)デザインを研究する研究者および実践者にとって、このWSは「会話」を生み出すおおきなきっかけとなりました。上述した「やる気のない人がいると活動に集中できない」といった振り返りは、「全員がやる気をみせながら参加すべき」という前提をもっているということです。そして、そういった前提を私たちは日常生活や教育場面でつくってきたわけです。こういった気づきから、何を「生み出せるのか」について今後さらに理解を深めていきたいと思います。

当日の映像はこちら

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黒木歩(くろき あゆみ)
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演劇ワークショップやインプロショーなどでグラレコ をしています。
ご依頼、相談があれば kurokiyadayo@gmail.com までお願いします。