高校生のためのABR入門

社会を知る、
アートで探る

Art-Based Research(ABR)とは何か?
なぜ「アート」が社会調査の手段になるのか、一緒に考えよう!

アート リサーチ 社会 感情 発見
Step 1

「当たり前」を疑ってみよう

私たちは日常生活の中で「知っているつもり」になっていることがたくさんある。
でも、その知識には4つの落とし穴(バイアス)が潜んでいる!

社会調査とは、個人的な思い込みではなく、
学術的に共有可能な手続きを通じて、
社会についての知識を体系的に構築する営みである。

過度の一般化

限られた経験から「みんなそう」と決めつけること。

「B型の人って雑だよね」「⚫︎⚫︎人って時間守らないよね」

不正確な観察

記憶や注意の向け方の偏りによって、見たことをゆがめてしまうこと。

「あの人なんかキツくない?ハラスメントかも。」

選択的知覚

自分の信念に合う情報だけを選んで受け取ること。

「自分の好きなアイドルは完璧に見える。悪い情報は目に入らない!」

探究の停止

一度わかったつもりになり、それ以上考えることをやめてしまうこと。

「私それ苦手なので、無理です。できるわけがないわ」
Step 2

社会調査のアプローチ

社会を探るには、いろんな方法がある!
主に5つのアプローチに分けられる。

量的研究 Quantitative

数値データと統計を使って仮説を検証する。アンケートや統計が代表的。

キーワード:数字・統計・グラフ・アンケート・因果関係・仮説検証

質的研究 Qualitative

言葉・観察・インタビューで文脈を深く理解する。「なぜ?」に答える研究。

キーワード:インタビュー・観察・語り・解釈

混合研究法 Mixed Methods

量的・質的の両方を組み合わせて、多角的に分析する方法。

キーワード:組み合わせ・多角的・ハイブリッド

アートベース・リサーチ ★ ABR

芸術の原理・プロセスを通して社会的現実を探究する。感情・感覚・身体的な気づきにアクセスする。

キーワード:詩・写真・演劇・ダンス・映像・音楽・対話・生成・参加

CBPR Community-Based Participatory Research

当事者と一緒に行う参加型研究。コミュニティの変化を目指す。

キーワード:参加・当事者・共同・コミュニティ・変化
Step 3

ABRとは何か?

ABR = Art-Based Research(アートベース・リサーチ)
単なる「アートを使う研究」じゃない。知を生み出す新しい方法

ABRは、芸術の原理やプロセスを通して、
経験や社会的現実を探究するアプローチである。
それ自体が、知を生成するプロセスそのものである。

感情・感覚にアクセス

言語だけでは捉えきれない
感情の揺らぎや感覚的経験に届く

身体的な気づき

身体が感じること、動くことを
通じて社会を理解する

想像力で意味を開く

想像力が切り拓く新しい意味や
視点が生まれる

関係性の中で知る

知は身体・感情・関係性の
中に生まれるという世界観

従来の研究 vs ABR

比較ポイント
従来の研究
ABR
知の表現
論文・レポート・数値
詩・映像・パフォーマンス
重視するもの
客観性・再現性
感情・身体・経験
対象者との関係
観察者として距離を置く
共同制作・参加型
目指すもの
事実の解明・一般化
共感・揺さぶり・変容
受け手
専門家・研究者
幅広い人々・社会全体
Step 4

ABRでできること

ABRには、さまざまな芸術的手法がある。
カードをクリックして詳細を見てみよう!

詩・ポエトリー

感情や経験を詩の言葉で表現する

クリックで詳細

写真・フォトボイス

カメラで社会を切り取り、声を届ける

クリックで詳細

演劇・パフォーマンス

身体で演じることで社会を理解する

クリックで詳細

ダンス・身体表現

動きとリズムで感情や社会を表す

クリックで詳細

音楽・サウンド

音で語れないことを語る。音楽が研究になる

クリックで詳細

映像・映画

映像で社会の現実を記録・表現する

クリックで詳細
Step 5

社会調査の6つの目的

社会調査には、いくつかの目的がある。
ABRが特に得意な分野は?

探索

未知の現象への発見的アプローチ。先行事例や先行実践をいろんな角度や視点から分析してみる。

記述

事象を正確に描き出すこと。「何が起きているか」を記録する。

説明

因果関係やメカニズムを解明すること。「なぜそうなるか」を探る。

コミュニティの変化

実践を通じた課題解決。「調査が社会を変える」こと。

評価

政策などの効果を検証すること。「うまくいったか」を判断する。

喚起・挑発・揺さぶり ABRの得意分野!

前提を揺さぶり、新たな気づきを生む。感情を動かし、社会を見る目を変える。

ABRはこの「揺さぶり」を最も得意とする研究アプローチ!
まとめ

ABRで広がる世界

当たり前を疑う

自分の「普通」がどこから来たのか考えよう

知ることは変わること

調査は自分と社会の見方を変える活動

表現の力

アートは社会を伝える強力な手段になる

感情と知識はつながる

感じることも、知ることの一部だ

社会を知ることは
自分を知ること

「当たり前」に疑問を持つこと、多様な方法で社会を探ることー
それはそのまま、自分の見方や価値観を問い直すことにつながる。
あなたの「好き」や「気になる」が、研究のはじまるになる!