卒業論文を書こう!

国際日本学部では卒業論文が必須ではないため、不安や負担を感じる人もいるかもしれませんが、卒論はチャンスです。逃げず、諦めずに、できる自分をイメージしてそれに近づいていきましょう!これまでの教育は、与えられることが多かったため、自分たちで問いをつくり、それを探求し、まとめるということをこれまでする機会は少なかったと思います。問いを見つけることは、自分と向き合うことでもあるので、時にはとても大変なことですが、結果には、喜びや驚き、感動を生み出します。

研究=自分の世界を広げるための活動

問い=世界を”深く”見るための枠組み・自分と向き合うこと

私たちがみている世界、関わっている世界はごく一部です。その多くは誰かに教えられてきたものです。しかし、世界は自分次第で多様な側面を見せてくれます。それを見つけるのが研究です。

岸ゼミでは卒業論文を次のように考えています。

自分がゼミで取り組んだ活動の意義や課題を文章で説明することができる。

または

問題意識や問いについて文献と自分の考えをまじえながら説明できる。

そのために、次のステップで卒業研究を進めていきます。

3年生春学期:自分の関心/問題意識を見つける
・いろんな経験をしてみる(活動を作る、参加する)
・教育工学入門講座(ミニ講義)
3年生秋学期:自分の関心/問題意識について調べ理解を深める
・論文や図書を読み、ゼミで共有する
・課題図書をみんなで読む
・多様な学習経験を積み重ねる
4年生春学期:自分の問い/活動について文献と関係づけて意義を説明する
・論理的に文章を書けるようになる
・文章を書き、推敲する
・卒業論文のドラフトができる
4年生秋学期:卒業論文を完成する
・ドラフトを修正していく
・卒業論文の発表の準備をする
・3年生に向けて発表しフィードバックを得る

★★自分がゼミで取り組んだ活動の意義や課題を文章で説明する★★

岸ゼミの3年生春学期は、ゼミ生は自分で活動(プロジェクト)を作り出したり、活動(プロジェクト)に参加したりします。その活動の意義、成果、課題についてまとめます。構成は次のとおりです。

・研究のタイトル
・実践の概要(どんな活動をしたのかを5W1Hでまとめる)
・実践の背景(なぜこの活動をしたのか?どんな問題意識があったのか)
・実践の結果(その活動はどんな成果があったのか)
・課題と展望(どんな課題があったのか。これからどうすればもっといい活動ができるのか)

3年生秋学期には、上記の「実践の概要」と「実践の背景」を書き進めます。「実践の概要」は、前期の活動をまとること。後期も活動を続ける場合は、それも含めて書いていきます。「実践の背景」は3年生後期でゼミ生が、輪読(論文や図書のシェアリング)を通してまとめていきます。まとめ方としては、図1に示すピラミッド図をイメージするとよいでしょう。

図1:取り組んだ活動をまとめ、文献と関連づけてまとめるタイプの論文の構成

★★問題意識や問いについて自分の考えをまじえながら説明できる。★★

3年生前期のゼミで取り組んだ活動とは違う問いを持つ人は、自分の問題意識や問いについて論文や文献をまとめていきます。構成は次の通りです。

・研究のタイトル
・問い/問題意識(何を知りたいのか)
・問い/問題意識の背景(なぜこの問題意識を持つようになったのか)
・文献調査の結果(文献を調べた結果何がわかったのか)
・課題と展望(何がわかって、何がまだわかっていないのか)

3年生秋学期には、上記の「問い/問題意識」と「問い/問題意識の背景」を書き進めます。3年生後期でゼミ生が、輪読(論文や図書のシェアリング)を通して、自分の考えを具体化していきます。まとめ方としては、図1に示すピラミッド図をイメージするとよいでしょう。


図2:自分の問い/問題意識を軸としてまとめるタイプの論文の構成

★★はじめかた★★

上記のようなピラミッドの形に最初からまとめていくことはなかなかできません。まずは、気になる論文や図書を読み始めましょう。そして、読みながら「これ、関心があるな」と思うものは、メモをして蓄積していきましょう。いくつかの文献が横断的に見れるようになると、上記のようなピラミッドの形で自然とまとまっていきます。

卒業研究は、Non-Knowing Growing(知らないまま成長する)ことのひとつです。ゴールがあれば、私たちは安心して進めることができますが、ゴールがないととても不安になります。しかし、これこそが私たちが大学生の間にできるようになっておくことです!さぁ、卒業研究を楽しみましょう!

Let’s Play with 卒業研究!