RESEARCH

ICTを活用した国際交流学習・国際理解教育・多文化共生

ICTの発展により、教室の枠を超えた学習が可能になりました。国際理解教育や英語教育において、世界中の人々とつながりをもった学習ができるということは多くの可能性を含んでいます。実際に、初等教育から高等教育において、海外の児童・生徒、学生間が協働で学ぶような実践も多く実施されてきました。しかしながら、同時に、いくつかの問題も指摘されています。外国人と交流する経験を十分にもたない児童・生徒にとって、ICTを通して何かをする、まして協働で学習するということは容易ではありません。そのため、単なる挨拶で交流が終わったり、情報交換だけに終わったりといった問題も多く指摘されてきました。対面のコミュニケーションにおいても、協働で学習するようになるまでには多くの工夫が必要になります。まして、ICTを使って協働するためには、ICTの特性を考慮した上で活動をデザインする必要があります。そこで、本研究では、ICTを活用した交流学習において、児童・生徒が協働で学びあうコミュニティをいかに形成することができるかについて、Wengerの実践共同体の理論的枠組みを参考に提案していきます。

高次思考力育成のための授業デザイン

近年、教師による「詰め込み」学習が見直され、学習者による自律的な学習が求められるようになってきました。このような学習は「学習者中心型教育」「自己調整学習」と言われています。教師に言われたことだけを暗記するのではなく、自ら課題を見つけ、課題解決のための方法を選択し、問題解決していく学習です。このような学習が推進される一方、「どのように考えたらいいか分からない」「何を考えたらいいか分からない」といった学習者側の悩みは尽きません。そこで、学校教育において如何に「考える」ということを支援できるのか、「考える力」を育成できるのか、について授業デザインの観点から研究を進めています。現在、高槻の小学校、ミャンマーの教育大学をフィールドとして調査をしています。

教員の専門性向上のための実践共同体形成のデザイン

近年、日本の「授業研究」が海外における教師の専門性向上の方法として関心がもたれるようになりました。その背景には、「教員同士が共同して学び合う」ことへの関心があります。認知科学や教育工学においても、構成主義や状況的学習論といった社会理論への関心が高まり、個々の教員の専門性向上だけではなく、集団的に協働的に如何に専門性を発展させていくかが注目されています。本研究では、ミャンマーとシリアをフィールドとして、現地の教員が協働的な学習を通して、如何に教師としての専門性を向上させていくかについて調査を行っています。

構成主義に基づいた海外フィールドワークの学習環境デザイン
本研究の目的は、構成主義に基づいた海外フィールドワークをデザインするためのモデルを提示することである。高等教育において、グローバル人材の育成が謳われ、その具体的な方法のひとつとして、海外フィールドワークが実施されている。海外フィールドワークの成果は、異文化コミュニケーション、異文化理解、英語表現力などの観点から報告されているが、課題も多く残されている。たとえば、一時的な海外への共感、ステレオタイプの再形成、表面的な文化理解といった問題がある。この課題に取り組むため、海外フィールド実施中の活動のデザインに加えて、事前、事後を含む海外フィールドワークのデザインが不可欠である。そこで本研究では、高等教育で実施されている海外フィールドワークを事例として、上述した課題解決を構成主義の観点から提案し、海外フィールドワークをデザインするためのモデルを提案する。