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「質的研究ウィーク」第4回目セミナーを実施

日本教育工学会質的研究SIG09主催

しました。
本日のテーマは「教育工学における質的研究の論文作成検討会」です。

☆詳細はコチラ☆
https://www.facebook.com/jsetsig09/posts/1728370700717430

最終日もすばらしいセミナーとなりました。

最終日は、教育工学関連のテーマで収集された質的データを分析しました。
分析データを提供くださった今野先生(明星大学)、三宅先生(関西大学初等部)、ありがとうございました!

講師の箕浦先生に心から感謝申し上げます。
研究意欲がグーーンッと上がり、脳がいい具合に活性化しています。
というか、考えることが楽しくて、ワクワクして、脳が「考えること」を欲しているのを感じます。知的好奇心です✨

ところで、セミナーの中で印象的だったことのひとつがUjihashiさん(NHK)の言葉。宇治橋さんは、NHKのディレクターとして教育番組を制作されており、フィールドノートの分析を通して「映像制作に似ている」とおっしゃっていました。つまり、全体を見て(全体観察)、視点を決めて(焦点観察)、その軸から全体を見直し(軸足コード)、現場で起こっていることを描写する。まさに質的データの分析過程ですね。これについて、箕浦先生もセミナーで「ルポタージュとの違い」について述べられていましたが、そのプロセスはとても似ているのです。私は映像制作もしていたので、質的研究が大好きなのもそれに関連しているのかもしれません^^

優れた視点をもつことで、そこで見えているものは、いろんなことを語ってくれます。Fred先生(Fred Newman)の言葉を使うなら、下記のとおりです。

「We carry around views and attitude about how things should look-not just how they should look in some evaluative sense, but what they should look like.」

質的研究を通して、パラダイム(by トーマス・クーン)について意識的になり、新しい「見え(views)」への可能性が広がるといいなぁと思います。

【セミナー報告】
26日は質的研究ウィーク第4回目のセミナー「教育工学における質的研究の論文作成検討会」を明治大学中野キャンパスで実施しました。講師は、箕浦康子先生(御茶の水女子大学名誉教授)です。

★詳細はコチラ★
https://www.jset.gr.jp/sig/sig09_20160226.html

第4回目では教育工学の研究分野で収集された質的データの分析を行いました。扱った事例は次のとおりです。
(1)料理サークルにおける発話分析(インフォーマル学習)
(2)NHKの教育番組を活用した授業分析
(3)思考スキル育成のための授業実践のフィールドノート分析

はじめに(1)の発話を全員で分析しました。実際に分析してみると、フィールドノートに「何を」「どのように」記録すべきかがよくわかってきます。箕浦先生いわく「10年たってもその情景が明確に見えてくるようなフィールドノート」とはどういうものかについて考えさせられました。自分が記録するフィールドノートは自分が分かっているため、情報を書き損ねてしまうけれど、他の人のフィールドノートをみて、「情景が見えにくい」という体験をし、何をかくべきか、どう書くべきかについてとても考えさせられました。

次に、(2)と(3)のテーマのデータを分析しました。参加者は希望するデータを選択し、3−4人で分析しました。前日と同じようにいろんなリサーチクエスチョンがでてきて、興奮しました!ほんといろいろ見えてくるんですね!すごく面白かったです。

軸足コードまで全員で行い、「何か見えてきたかも!?」というところで終了。箕浦先生が、そこから見えてきたことに理論的な示唆を提示くださいました。たとえば、「それは・・だから、Valued spaceとかValued timeの観点から捉えるといいかも」という言葉を聞いて、その発想は私にはでてこない・・と思いました。そして、見えてきたことをしっかり理論的に捉えることができるように、常に幅広く文献をあたって関連する理論とつなげれるようにしなきゃと思いました。

続きは、データを提供してくださった先生方に分析をしていただき、結果を楽しみにしたいと思います。

私自身とてもとても充実したセミナーとなりました。5日間連続の質的研究ウィークもこれにて終了となります。

講師の先生をはじめ、参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました!

来年度のセミナーのアイデアや提案も随時募集しておりますので是非ご意見聞かせてください。

本日参加された方は是非第4回目の感想やコメントなど投稿お願いいたします。

(文責:岸磨貴子@明治大)

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「質的研究ウィーク」第3回目セミナーを実施

日本教育工学会質的研究SIG09主催
しました。
本日のテーマは「質的データの分析と解釈」です。

★詳細はコチラ★
https://www.facebook.com/jsetsig09/posts/1727496607471506

「データが語りだす」という経験をさせてくださったのは、恩師のひとり箕浦先生です。データをみてもさっぱりわからないくて途方に暮れていた院生のころ、箕浦先生に分析をご一緒いただきました。なんとなんとデータが語りだすのです。

当時、シリアのパレスチナ難民キャンプの学校の授業分析をしていました。授業を何度見ても気付かなかったことが、分析を進めるうちに「見えて」くるのです!分析は、様々な問い(リサーチクエスチョン)を導きだし、現実を見る視点を与えてくれます。その視点からデータを見ると、今まで気付かなかったことが見えてくるんです。

私は質的データの分析が大好きです。私の見える世界を広げてくれます。
また誰かと一緒に分析することも好きです。自分の価値感や既有の認知的枠組みに気づかせてくれます。同じデータでも、データが語ってくれるストーリーは様々です。だからこそ、見えなかったことが見えるようになるのです。

最近は、業務的(作業的)な仕事が多くて研究が全然できていなかったのですが、ものすごく今は研究がしたいです。研究に没頭したいです。

【セミナー報告】

25日は質的研究ウィーク第3回目のセミナー「質的データの分析と解釈」を明治大学中野キャンパスで実施しました。

★詳細はコチラ★
https://www.jset.gr.jp/sig/sig09_20160225.html

質的なデータを収集しました・・・その後・・・の手順を細かく講義いただきました。箕浦先生の分析のご経験や論文を指導される際の様々なエピソードを交えながらご説明いただき、とても具体的に理解することができました!質的データ分析法については書籍も多く出版されていますが、実際に分析してみないと実感できないだろうからと、実際に参加者みんなでデータを分析。

「Open Cordingは、データを深く読むための手段」「分析者の先入観、不安、未解決な個人的な問題などによるバイアスを避ける」ということがどういうことかを経験を通してとてもよく理解することができました。

また、Open Cordingのあとにリサーチクエスチョンを立て、そこからデータを改めて見直し、軸足コードにすることで分析の過程を理解するだけではなく、混沌とした生データから理論が見いだされていく感動や驚きも感じることができました!

セミナー終了後は有志で6時半まで残ってディスカッションをしました。分析する際は、テクストごとに細かくコード化するのか行ごとにコード化するかによって何が違ってくるのか、コード化する時の注意点、RQがたった後のコード化の見直しなどについて議論しました。問いを出しあうことで、「分かったつもり」が具体的に「分かった」になっていいます。同時に新たな問いも生まれ、増々質的研究の奥深さと面白さを知るきっかけになります。

たった4時間という短い時間でたくさんのことをご教示いただきました。2、3倍の時間があってもよいくらいでしたが、セミナーを通して浮かび上がった様々な問いは、私たち自身で探究していきたいと思います。

箕浦先生にセミナーでご紹介いただいた文献を読む勉強会を今後設けていきますので、今回セミナーに参加された方は是非この続きを自主的に続けましょう!

明日は、実際に教育工学の分野で収集されたデータを分析します。明日でセミナー最終日!

本日のセミナーに参加された方は是非コメントや感想をご投稿ください〜!

(文責 岸磨貴子)

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「質的研究ウィーク」第2回目セミナーを実施

日本教育工学会質的研究SIG09主催
「質的研究ウィーク」第2回目セミナーを実施しました。

★詳細はコチラ★
https://www.facebook.com/jsetsig09/posts/1727206754167158…

「フィールドワークは人生を豊かにする」という箕浦先生のお言葉がとても印象的です。私自身それを体験した一人です。

箕浦先生とフィールドワークをご一緒させてもらったのは、シリアのパレスチナ難民キャンプ。いろいろご縁があって私の研究フィールドであったシリアに来てくださり、フィールドワークをご指導いただきました。

当時、2年も住んでいたシリアだったので、だいたいのことは分かっていると思っていたけれど、視点を変えると、本当にいろんなことが見えてくる。違って見えてくる。自分が「わかったつもり」でいたことにも気付かされました。また、自分がどんな視点や価値感をもって現実を捉えているかも意識的になれました。

フィールドワークは「Make family unfamiliar(当たり前のことを当たり前ではないようにみてみる)」手法(by 箕浦先生)であり、それによりいろんなことがよく分かってきます。何事も分析的に見るようになり、世界の見方が本当に変わりました。

世界は本当におもしろい!
世界はなんて美しいんだろう!

そんな感動を改めて、今回のセミナーで実感しました。
そして、セミナーに参加された方が同じように感じて、仲間になっていただければとてもとても嬉しいです。

また、今回、質的研究を一緒に勉強している仲間の時津先生に講師としてご参加いただきました。講義は箕浦先生が中心でしたが、セミナーを通してでてきた参加者からの疑問に丁寧にひとつひとつ答えていただきました。私も「今さら箕浦先生には聞けない・・・」って思っていたいろんな疑問に答えていただき、本当にいろんなことがクリアになりました!

時津先生>プレセミナーからセミナー後の議論まですべてご一緒いただき、ありがとうございました!

本セミナーを一緒に企画、準備、運営してくださった小高先生に心から感謝です!箕浦先生のセミナーは明日、明後日と続きます。

まだまだ興奮が冷めません!

【セミナー報告】
23日、24日は質的研究ウィーク第2回目のセミナー「教育工学における観察を通した研究の技法」を明治大学中野キャンパスで実施しました。

★詳細はコチラ★
https://www.jset.gr.jp/sig/sig09_20160223.html

ちょうど10年前に大学院生の頃、箕浦先生のマイクロエスノグラフィーの講義を受講したことがあるのですが、何度受けても学ぶことが多い!考えることが多い!刺激されることが多い!と思いました。

箕浦先生の講義では、フィールドワークの意義、歴史、認識論、方法論、注意点、他の方法論との違い、研究のフォーカス、フィールドワークにおけるリサーチクエスチョンの立て方、工夫など多くをひとつひとつ丁寧に講義いただきました。

講義が充実していたため、セミナー受講者の方から出てくる質問も興味深かったです。講師の時津倫子先生には、セミナーででてきた疑問に丁寧に答えていただきました。

2日目には、セミナーの1時間前から集まり自主勉強会がはじまりました。またセミナーのあとにも有志で議論がはじまり6時半まで続きました。

第2回目セミナーは、フィールドワークの技法について学びました。明日(3回目)は質的データの分析です。明日も楽しみです!

参加されたみなさま、是非このスレッドに感想&コメントなど投稿お願いいたします!

(文責 岸磨貴子@明治大)

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「質的研究ウィーク」第1回目セミナーを実施

日本教育工学会質的研究SIG09主催
「質的研究ウィーク」第1回目セミナーを実施しました。

★詳細はコチラ★
https://www.facebook.com/jsetsig09/posts/1726653260889174?notif_t=like

佐伯 胖先生(田園調布学園大学・教授,東京大学,青山学院大学・名誉教授)の示唆や視点はとても興味深く、なるほど!と何度も心の中でつぶやきました(声にでていたかもしれませんが^^)

帰宅してからも興奮がしばらく抜けないくらい本当におもしろかったです。
(その日、朝の4時まえ寝付けなかったのはこのためかも?!)

一人称研究のアプローチは、いろいろあります。
私の研究はどちらかというと一人称・二人称に関心を持ち、解釈学的アプローチや批判的アプローチの研究が多いのですが、アウトプット(研究論文)は三人称的にまとめるものが多いと思います。今後、どういった形でアウトプットをまとめていくのかも議論していけたらいいな、と思います。

佐伯先生のお言葉(詳細は上記のURLを!)で、教育工学でしっかり質的研究をやっていこうというモチベーションになりました。これからいろいろご一緒できそうで、すごく楽しみです!

来年度の教育工学会の質的研究SIGのセミナーかワークショップはこのテーマ「教育工学における一人称研究」でやるような流れになっております。そうなれば、このテーマで一緒に研究できる方を大募集します^^

佐伯先生>今後ともどうぞよろしくお願いします!

今回このセミナーを一緒に企画、準備、運営してくださった福山先生@東京大学、ありがとうございました!佐伯先生を講師としてお迎えするにあたり、事前勉強会もして結構ふたりでがんばりました✨ 準備の段階から楽しくまなべたのも福山先生のおかげです〜!今後も是非SIG活動一緒にいたしましょう〜!

【ご報告】
本日、質的研究ウィーク第一日目、「教育工学における一人称研究」を実施いたしました。

★詳細はコチラ★
https://www.jset.gr.jp/sig/sig09_20160222.html

佐伯胖先生(田園調布学園大学・教授,東京大学,青山学院大学・名誉教授)を講師としてお招きし、下記の書籍を3冊輪読し、議論をしました。

(1)諏訪正樹・堀浩一(2015)『一人称研究のすすめ: 知能研究の新しい潮流』近代科学社
(2)諏訪正樹・藤井晴行 (2015)『知のデザイン―自分ごととして考えよう』近代科学社
(3)ヴァスデヴィ・レディ (著), 佐伯胖 (翻訳)(2015)『驚くべき乳幼児の心の世界』ミネルヴァ書房

3冊も多すぎる!!というご意見もありましたが、3冊だったからこそ横断的にみえたところも多く、充実した議論を通して、たくさんの気づき、問い、研究及び実践に対する視点を持つことができました。

特に、「1人称研究だからこそ見えてくること/分かってくること」の理解が深まり、教育工学にこの視点が必要であることを再確認することができました。

では、どうやってそれらをテーマに研究していくのか?という質的研究の方法論については、今後、質的研究SIGで学ぶ機会を提供していきたいと思います。
(まずは、明日からはじまる「観察(フィールドワーク)を通した研究」からスタートです。)

佐伯先生から「このような研究が教育工学で取り組まれていて非常に嬉しいです。教育工学が面白ろくなっていきそうだと希望が持てました」というお言葉をいただき、励まされました。

みなさん、一緒に一人称・二人称からの研究・実践を教育工学の中でもどんどん展開していきましょう!

(文責 岸磨貴子@明治大)

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