* You are viewing the archive for 6月, 2014

教育文化の比較研究ー日本の特徴は?

箕浦先生が執筆された下記の論文について議論した。議論の中で考えたことをメモ。

The development of Ethnographic Studies of Schooling in Japan
In Anderson-Levitt, K.M. (ed.) Anthropologies of Education, 2012

学校と文化の関係についての研究は、日本ではそれほど多くは研究されていないが、その歴史は米国と同じくらい長い。日本では、1955年から九州大学が、教育文化の比較研究のための研究所をつくりそこで文化と教育の関係について研究されてきた。大学の受講科目として教えられるようになったのは米国より10年くらいあとである。最初は教育社会学の流れで文化と教育について取り扱われるようになった。大阪大学でも、カミングス先生や清水先生をはじめこれらの研究が行われ(たとえば、部落問題など)、その研究蓄積は、今の人間科学の土台となっている。

人間科学は、自然科学とは異なる性質を持つ。自然科学は、論理実証主義の前提にたつ。人間科学は、人々が生活する意味世界を重視する。文化とは、まさに人々が生活する意味世界が具象化されたものであることから、人間科学の研究方法は自然科学のものとは違ってくる。

人間科学の研究方法として、エスノメソドロジーや会話分析などの方法が使われるようになると、不登校、学校におけるマイノリティ、児童と教師の相互作用、インフォーマルな学習などをテーマとして文化と教育の関係が研究されるようになった。

私も、教育文化については大変関心がある。現在初等・中等教育のICT教育について研究している。教育工学研究ではこれまで、ある道具を導入することによって、授業がどう改善するか、児童の成績がどうアップするかという「技術決定論的」な研究が多い。しかし、単体としての道具を導入するだけでは、授業改善にも成績向上にもならないことに現場も研究者も気づいている。では、どうしたらいいのか。ICTという人工物と教育の関係をどう捉えていくのか。教育工学分野ではまだまだ質的研究が少ないが、私は質的アプローチでICT教育の諸問題に取り組みたい。

エスノメソドロジーからシリア問題について考えてみた

7月の箕浦先生文献ゼミでは、「エスノメソドロジー」について議論した。エスノメソドロジーについては大学院時代に文献や論文をいくつか読んだことがあるが、改めてプラサドがまとめたエスノメソドロジーを読みながら、今の研究テーマや関心テーマに関連させて考えてみた。

ガーフィンケルの期待に反する実験(違背実験)は、日常というものがどのように暗黙のうちに組織されているかを知るための方法として有名なものだ。私達は、暗黙のルールにのっとって生活をしている。エスノグラフィーは、そこで生活している人には認識されないような暗黙の前提を明らかにする方法として注目されている。ガーフィンケルはヴィトゲンシュタインの言語についてのアイデアやハイデガーの理解は日常のものだというアイデアからも示唆を得ているといわれている。先生が質問した問題に対して、何の違和感もなく応える生徒。これは教室の中の文化があるからこそ成り立つ。「25×14は何ですか?」なんて日常の中で質問されたら、質問された人はびっくりするだろう。でも教室の中だとその行為に違和感はない。

ガーフィンケルは「秩序の問題 problem of order」に関心を持ち、エスノグラフィーはこれを明らかにするための方法である。ある文化について理解するためには、どのようなproblem or oderについて明らかにするわけだが、これは人々の実践によって創られている。つまり、人々の実践が変われば,作り替えられる。そして人々はこの作り上げられた者の中で行為する。つまり、文化と行為は相互作用的なものなのである。同じことを、状況論では、共構築という。

ガーフィンケルは、この状況を「現実は不安定である(The precariousness of reality)」という。そう。現実は不安定である。私達は自分たちが創り出した象徴的客体(Symbolic object)によって、秩序を安定させる。もし、その秩序が崩れた場合、労を惜しまずにシステマチィックに修復し、社会的秩序を回復させようとする。

シリアの社会はどうだったんだろうか。現実は不安定である。実際、シリアに内戦がおこったことで、その事実がつきたてられた。シリアの秩序を維持していたものはなんだったのだろうか。ダラーで起きたあの時間が秩序を崩すきっかけであったのであれば、その崩された社会状況をシステマティックに修復し,社会秩序という快適さを回復するために行ったものが内戦だったのあろうか。回復させるために取られる方法が必ずしも適切なものではない、ということだろうか。

ガーフィンケルは、社会的秩序は、説明することaccountingというプロセスから構成されると主張する。確かに、以前のシリアの社会は、人々の日常のaccountingによって維持されてきた。たとえば、政治については決して批判してはいけない。そのルールさえ守れば安心して暮らせる。そういったaccountingの中で社会秩序が維持されてきた。今の社会的秩序を維持しているaccountingは何か。政府打倒、政府は悪であるというaccountingである。このaccountingが変わらない限り、シリアが「平和的な」社会的秩序になることはないということだろうか。

エスノグラフィーはシリアの内戦、シリア難民の問題を解く方法となるんだろうか。もしそうであれば、研究というツールを使ってその問題を解きたい。

6/28 知価BARにて講演

先日、IBMのやよいさんのお誘いで知価BARという場で「世界を舞台に! シリア支援の新しい形~個々を生かした越境コラボレーション~」をテーマにお話させてもらってきました。

知価BARに集まるのは、いろんな企業の人たちで、コンサル関係の人も多く、 取り組んでいる実践に対していろいろユニークなアイデアをいただきました。
研究者と議論するのはもちろん楽しいけれど、実践者と議論するのも楽しい。

議論しながら、研究者と実践者の考え方の違いってなんだろう?ということをメタ的に思考しながら議論を楽めました。いろいろ発見もあり、自分で経験してこと、ユニークなことって見えてくるんだなぁと実感。それは何か?それは、のちにアップします(たぶん、、今は忙しすぎる)

今回のテーマは、シリア難民支援をしている多種多様な人たちがどのように連携し、実践を創っていくのか、そのための環境づくりのために必要なことは?という問いを私なりにまとめた内容です。異文化間の協働(越境する学び)について、このテーマは、しっかり研究したいテーマ(関心)です。

10471920_305759699590587_836358706_a

6/26 国際協力NGOジョイセフと授業打ち合わせ

今日は、夏期集中講義で連携する国際協力NGOジョイセフ(JOICFP)を訪問、授業の打ち合わせをしてきました。ジョイセフは、途上国の妊産婦と女性を守るための様々な活動をザンビア、タンザニア、ガーナ、アチェ、カンボジアなどで実施しており、前々からいろいろお話を聞いてみたいと思っていたのです。活動内容も興味があるけれど、ジョイセフが提供している研修やワークショップもとても興味深いのです。実際に研修やワークショップで使っている教材や事例(ケース)等を見せてもらったけれど、さすが!すごく工夫されていました。

教育工学者として教材や研修やワークショップのデザインは気になるところ。母子保健のことだけではなく、場のデザインについてもたくさん学べそうですごく楽しみです。

受講生のみなさん、お楽しみに〜!

10408964_782006595173680_4191966551914274257_n

6/21 「映画からみるシリア難民問題と支援の環」を実施

「映画からみるシリア難民問題と支援の環」を実施しました。1部の映画上映と講演&対談には、150名ほどの方にご参加いただきました。2部では、シリア難民支援をされている13のNGO/NPO、団体にご参加いただき、70名の参加者とダイアログを通したワークショップを実施しました。私自身多くを学び、考え、次へとつなげるためのアイデアやつながりをたくさん得ることができました。ご参加いただいたみなさん、ご支援いただいたみなさんに心から感謝です。

参加いただいたみなさんには、本イベントで感じたこと、考えた事など是非SNSなどでシェアいただき、難民支援の環を広げていただければ幸いです。

10402381_779753975398942_2230769913792133628_n

6/19 Skype session with P sensei of Hawaii Univ

Today, the Meiji students had a Skype session with Peter sensei of Hawaii University to discuss for supporting Tohoku area collaboratively. Peter sensei suggested a project using Second life. It might be an interesting/unique way for supporting kids in the area. We hope to have collaboration for next semester!

 

Peter sensei

6/15(日)上野科研打ち合わせ

今日は、東京都市大学にて上野科研の打ち合わせ。

ARを活用したフィールドミュージアムの実践はとても広がりも可能性もあるので、学生たちに是非経験させてあげたいし、いい実践となるならいろんなところで実践できるように、その知見を学校現場の人たちにシェアしたい!
ということで、今年から3年くらいかけて実践していこうと思う。

★題目:留学生の視点からみた都市(中野区)の情報デザインの実践〜ARを活用したフィールドミュージアム構築〜(仮)

★実践の目的:中野に住む留学生または中野に来る外国人の人たちにとって有用な情報をARを通して提供すること。

★方法:留学生の視点からみた「中野」をARコンテンツにする。

★特徴:
①日本人とは違う「留学生」の視点からみた都市情報の提示。
②都市の情報デザインと教育の連携(教育実践としての意義あり)

20140615-235342-86022041.jpg

「映画からみるシリア難民問題と支援の環(تطوير تعاوننا لدعم أصدقاء سورية )」お知らせ

とうとう「映画からみるシリア難民問題と支援の環(تطوير تعاوننا لدعم أصدقاء سورية )」が今週末(6月21日土曜日@明治大学中野キャンパス)となりました。中野経済新聞にもイベントについて掲載いただきました!http://nakano.keizai.biz/headline/479/2部のワークショップは、定員まであと数名ですが、
1部の映画については、まだまだ申し込みいただけますので、
是非、明治大学中野キャンパスまで足を運び、
シリアの状況について、一緒に感じ、考えましょう!

申し込みはコチラ:https://www.hric.jp/apply

【参考ビデオ】

※A Day in the Life Za’atari Episode 7 The trouble with kids

http://www.youtube.com/watch?v=gHaIene1GRI&feature=youtu.be

※UNHCRが発信する「世界難民の日」にむけての映像

http://stories.unhcr.org/jp/

 

 

6/14(土) 小学校と留学生の交流事業

今日は、明治大学の留学生と中野区の小学校の交流事業。この事業は、国際日本学部の国際交流学生委員会が中心になって企画、準備、実施を行い、私はそのアドバイザーとして関わっている。アドバイザーといっても学生たちはすごくしっかりしているので、見守る役って感じだろうか。学生たちの主体的な活動を見るだけでも楽しいし、小学校現場にはいって、異文化体験の現場を見るのも楽しい。地域連携としても広げていけそうな事業だし、これからの展開が楽しみ。

6/13(金) リーサー先生の講演 IDの10のトレンド

フロリダ州立大学のリーサー先生の講演を聴きにいった。2007年に熊本大学でお会いして以来、7年ぶりの再会。私の事を覚えてくれていて感動!!熊本大学での講演に一緒に参加したハムゼ@パレスチナ人のことも覚えてくれていた。嬉しい。

リーサー先生のお話、とても面白かったので、忘備録として、そして未来の研究につなげるためにいくつかポイントをまとめようと思う。ただ、今とても忙しいのでのちに・・。

6/7&8 異文化間教育学会

今日、異文化間教育学会の総会で優秀発表賞をいただきました!とっても嬉しい〜!!研究題目は「マルチヴォーカルの視点を取り入れた海外フィールドワークの学習環境デザイン」です。URL: http://www.intercultural.jp/about/happyo.html
私の研究スタイルは、現場の人と一緒に探求し、知を構築するアクションリサーチ。なので、今回の受賞は一緒に研究をしてきたみんなとの協働に対していただいたものです★

研究というのは、実践の新しさ、または、実践に新しさがなければ理論的な新しさを知見として出していく。それが本当に楽しい。他の研究者が何をしているか知るだけでも楽しいのに、さらに、そこから新しいものを考えていく、創り出してくってなんて楽しいんだろう。

さらに楽しいのは、そのプロセスを現場の人たちと協働でできること。めざすものが高度になればなるほど、私も現場の人も発達(DEVELOP)していかなくちゃいけない。アクションリサーチでは関わる人すべての成長(発達)につながる。それだけでも楽しいのに、研究の成果がでれば、お互い達成感を得られるし、社会貢献として知を提案できたことに喜びを感じることができる。

まさに「学習」とは手段!
(つまり、「学習」というのは「目的」ではない)

高等教育の授業でも、受講生が目標を持ち、それを実現していくプロセスで手段として「学習」し、集合的に発展していくような授業実践をどんどん展開していきたい。そのためにはまだまだいろんな制度的課題はあるけれど、こういう実践のニーズが高まっていくんじゃないかな、と思う。

10356021_771901006184239_4329625411401504859_n

6/6 アクティブラーニングにおける教員の役割

教育方法技術@関大では、アクティブラーニングに基づいて授業を実践。表層的な理解にならないように、如何に深めていくかを日々考えながらやってきて、なんとなく「こつ」がつかめてきた。それをいくつかまとめたいと思う。が、とても最近忙しいので時間があるときにまとめる。

6/2 塔山小学校での留学生交流事業

今日は、明治の留学生と塔山小学校の児童らの第1回目の交流会があった。

昨日の総合学習の時間でも児童と留学生の交流はとても盛り上がった。見学していました私も楽しく時間を過ごすことができた。子どもたちの様子をみていると、留学生にあわせてゆっくり話すようになったり、ジェスチャーや絵を描いてコミュニケーションをしたり、いろいろ工夫していた様子がとても微笑ましかった。留学生も子どもたちの関心にあわせてスマートフォンで地図と見せたり、写真を見せたりしながら、子どもたちの理解を助けているところがよかった。こういった交流は双方にとって意義のあるものだと実感した時間となった。

http://www.meiji.ac.jp/nippon/info/2014/6t5h7p00000hm9gr.html