PAPRIは、現在、日本の7つの大学のフィールドワークの受け入れをしている(立教大学や関西大学など)。日本人ボランティアのフィールドワークの受け入れをはじめて11年である。日本人ボランティア(特に大学生)を受けいれることのMerit, Demerit, Challengeについて4人とのスタッフに話を聞いた。
調査の時間は10時から11時半までの1時間。インタビューに答えてくれたのは、下記の4人。
クマヨン氏 Coordinator of Problem Monitoring
カーセル氏 Program coordinator
ナーゼム氏 Area manager for empowerment
アラウ氏 Program coordinator
加えて、下記の1名に6時から7時の1時間インタビューを行った。
シャキール氏 program cooridnator
Benefitsについて
ー日本人と関われることによるモチベーション
バングラディッシュでは、日本人にたいしてかなりポジティブなイメージを持っている。ひとつは、バングラディッシュへの支援は日本が一番であるということ。また、技術大国日本は尊敬する国であり、高額でも日本の製品を買いたいという人が多くいる。そういう日本人と関われるということ自体が、NGOスタッフにとってもメリットがある。
ー新しい考え、見方などの共有
活動をしていくと、本当にこれでいいのか、もっといい方法があるのではないか、と疑問を持つことがある。外部の人たちのきて意見交換したり、質問をされたりすることで、新たに気づいたり、新しいアイデアを得たりすることがある。そのため、活動現場を一緒に見学して意見交換するということはNGOスタッフのCapacity Developmentになる。
ープログラムマネージメント
特にプロフェッションをもった人との一緒に活動をすることは、プロジェクトマネージメントの点で学ぶことが多い。実際、一緒に活動をする中で、プランのたてかた、問題分析の方法、レポートの書き方など多くのことを学んだ。また、村人をどのように巻き込んでいくのかといったことも学んだ。学生にういては、説明をしたり、活動をみせたりする上でどのようにわかりやすく表現を工夫したり、説明したらいいかについて考えたりきっかけになる。バングラディッシュでは大学をでても英語ができない人が多い。PAPRIでも英語ができないスタッフも多い国。そういうスタッフがフィールド活動にアテンドし、英語で説明することで英語を使って説明する練習になる。
ーFinancialな支援
PAPRIでは、外部からの訪問者から一日2000tkのコーディネート費を徴収する。その中に宿泊費、食費、移動費、リフレッシュメント費、スタッフのアテンド代などがすべて含まれるが、残った分については、活動費にあてることができる。そのため、訪問者が多ければ多いほど、INCOMEを得ることができる。
ードナーの拡大
フィールド活動に参加した人の中には、PAPRIを支援することに関心をもってくれる人もでてくる。それは、フィールド活動を受け入れるとても重要な理由のひとつだ。実際に活動を見学して、その意義と課題を共有することによって共通の関心を持ち、一緒に取り組むことができる。そういう支援者を増やすことはPAPRIにとって重要ななことである。
Difficultiesについて
ー日本の学生は基本的にはPAPRIの活動を見学するだけだ。つまり、自分たちで何か活動を企画して、PAPRIのスタッフと一緒に実施するということはない。しかし、将来的にそういう機会があれば、十分に注意しなければいけないことがある。現場の問題は、現地の人が解決したいという認識をもってはじめて解決しようという行動にむかう。日本人が「この地域の問題はこれだ」ときめつけて、一方的に企画、実施することだけは避けなければならない。そのため、もし何か一緒に活動することになれば、ICTなどをつかって事前にやりとりをしっかりする必要がある。議論なしの企画は受け入れられない。
※長期の場合、一緒に現場をみてから問題を分析のして、解決策を考えたり実施するということもできるが、学生の訪問の多くの場合は1ヶ月以下の短い期間なので、ICTなどをつかって事前に議論することが望ましい。
ー価値観のギャップ
多くの場合、問題はないが、現地でのものの価値と日本人のそれとはギャップがあることがある。現地の人が大切にしている価値を注意深く観察して行動する必要がある。たとえば、挨拶、コミュニケーション、買い物の仕方などである。日本人は金持ちの国だから、と現地の人が「違い」を感じると距離ができてしまうので、注意深くしなければならない。
ー言語の問題
日本人学生の多くは英語が離せない。そのため、ツアー会社の通訳が説明をする。そのため、ローカルNGOは、学生と意見交換したり、直接話をすることはほとんどない。通訳(バングラディッシュ語から日本語)を通した質疑応答はあるが、直接議論したり、意見交換ができないことは残念なところである。ツアー会社による通訳がいる場合、PAPRIのスタッフがつきっきりになることはない。通訳の人がほとんど対応する。英語が話せる学生がくると、英語でスタッフと意見交換や議論ができるので、学ぶこともある。
フィールド活動にはいるまえに
ー事前学習について
PAPRIに来る前に基本情報については知って欲しい。多くの日本人はバングラディッシュについての基本的なことについて知っていてもPAPRIについてほとんど知らない。そのため、初日にオリエンテーションをするが、Webなどに書いてある簡単な内容うしか知ってもらうことができない。質問があるかと聞いてもほとんど質問がでてこない。毎回スタッフは同じことを説明をすることになる。事前にWebなどの情報や報告書などに目をとおしてもらえっていると、初日からより詳細の議論ができる。シャプラニールのボランティアなどは、PAPRIの活動をよく知ってくれているので、初日からいろんな議論ができる。質問されたり、それに答えたり、意見交換することで、NGOスタッフも多くのことを学べるのでBENEFITSが多い。そういう関係を持てたら理想的きだ。
ー事前にICTなどを使って学習をする場合、バングラディッシュの大学生ではなく、NGOスタッフとするほうがよい。バングラディッシュ人でも村の生活や問題についてはよくしらない。特に大学にいける学生は村の生活や問題について本やメディアをとおして知っていることもあるかもしれないが、実情については知らない。そのため、ICTをつかった事前学習をするのであれば、ぜひNGOのスタッフとやってもらいたい。
ー現地の文化やマナーについて知る
たまに、村などにいくとき、日本の文化をそのまま持ち込む学生がいる。洋服をきて、カメラをもって、バングラディッシュ人と全然違う服装や行動をすることで、村の人は「日本人は我々とは違う。金持ちの国の人だ」と距離をおいてしまう。また、そういう人たちがくると、何かくれるんじゃないかと期待する村人もいる。こういう場合、村人と日本人の関係は距離ができ、近寄ることはない。一方、事前にバングラディッシュの服装や文化や習慣、マナーを学んでいる学生は、すぐに現地の人がに受け入れられ、仲良くなることができる。挨拶程度でもいいので、言語を含め、バングラディッシュの習慣やマナーを学び、村人といい関係がつくれるよな事前学習があるとよい。
どういう連携をしたいのか
ー日本人はカメラやビデオを持っているので、PAPRIの活動について一緒にビデオをつくるなどができればよい。PAPRIに機材があればよいが、メンテナンスなどにお金がかかることや、そのための技術をもった人がいないので、機材に加えて、撮影や編集の技術をもった人がきてくれれば、助かる。