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1/18(Wed) ソーシャルメディアを活用した協働学習に関する講演

午前は、査読の仕事。学生とのミーティング。

午後は、下記の講演に参加。

日時 1月18日(水曜日)
時間 午後3時から4時半
場所 関西大学 総合情報学部 TD101
テーマ Methods of Collaborative Learning based on Computer or using
Social Media for Collaborative Learning

***スンヒー先生の講演まとめ***
知識の獲得から知識の活用が求められる時代になった。知識の活用が求められる教育活動では、教師が如何に効果・効率的に教えるか、ではなく、学習リソースを如何に配置するのか、どのような系家ンをさせるのか、専門性にどうアクセスさせるのか、といったことが重要となる。というのも、知の活用を目的とした授業で目指されるものは、high achievement、すなわち、暗記するだけではなく、問題解決をしたり、何かを作り出したりといった知識構築だからである。韓国の教育では、上記のような目標をもって教育改革を進めるが、「評価」が従来どおり「知識の獲得」が基準となるため、混乱がみられる。韓国は受験競争が激しく、教育なければ、未来はない、と考える人が多い国である。そのため、知識の活用を目的とした授業、例えば、協同学習を導入しても、受験を重視する保護者の理解を得られず、子どもの理解を得られず、教師も理解できず、うまくいかない。デジタル教科書を使ったuラーニングが、この数年教育分野においてかなり進められたか、上記の問題が残された。言い換えればデジタル教科書を使って、協同学習や高次思考力をめざした授業を試み、その結果、問題解決力やコミュニケーション力、自律的学習態度が促進されたが、学校の成績について、統制群と実験群で差がみられなかった。生徒、保護者、教師にとって関心があるのは、どう受験戦争を乗り切るか、である。成績に違いがみられないのであれば、その成果について受け入れられることが難しい。つまり、問題解決力やコミュニケーション力がついたとしても受験に関係がなければ、学校教育では受け入れられないのである。
このような問題を抱える韓国では、u-learningから次のステージに進んでいる。次は、SMART learning である。SMART Learning のSは、Self-directed, Mは、Motivated, Aは、Adapted、Rは、Resourced enriched、Tは、Technology embeddedを意味する。これに伴い、ゆっくりであるが、受験の方法に新しい評価を取り入れる大学もみられるようになった。
SMARTラーニングを推進するために、着目されているのが協同学習である。協同学習を推進するために、研究者は様々な学習モデルをもとにその方法について検討している。そのひとつが、Stahl 2006である。競争社会の韓国で協同が根付くのか、といった疑問があるかもしれない。もし、協同学習が、知識の獲得を目的としたのであれば、自分の知っていることを相手に知られたくない、相手が理解するようになると自分が不利になるといった心理が働き協同学習がうまくいかないかもしれない。しかし、韓国で目指している協同学習は複雑な問題を解決するというものであるため、生徒は他の生徒と助け合いながら、楽しく問題解決をしている。そのため、そういった課題(生徒の多様な意見や考え、違う観点を必要とする課題)を提供する力が教師に求められるが、そこが難しい。それは、課題を作る能力があるかないかではなく、教師自身が協同で問題解決をするという経験をしていないため、どういう課題が協同学習に適しているかを判断できないからである。そのため、SMARTlearningを推進するためのひとつの課題は教員に対する取り組みである。
上記の問題を解決するために、学校の外の専門家や地域の人と連携することで、「多様な意見や考え、違う視点」を教室の中に持ち込むという方法がある。しかし、韓国の学校文化は、閉鎖的であり、義務でない限り、教師が教室に人を入れることはない。それは、直接教室の中に人が来るだけではなく、たとえICTであっても、外の人に自分の授業に関わってもらうことはない。ただし、英語教育については例外である。英語教育では、英語会話演習の一貫としてICTをつかって外とつなぐことがある。
Dr. Sunhee の話をまとめるとこんな感じだろうか。ICTの発展により、理論的には「可能」であることも、カリキュラムやその国,地域の文化や社会的価値観によって、それが「不可能」になることもある。このプレゼンをとおして、我々研究者は、技術やツールを独立した「もの」として捉えるのではなく、社会的、文化的な関連の中で捉え、デザインしていかなければならない、と再認識した。

1/17(Tue) Dr.Sunheeとの共同研究

韓国のハンヤン大学からDr.Sunheeが来日している。彼女とは、7年前から共同研究をしている。今回、K大学のvisiting researcherとして来日しているので、今朝は彼女と次の共同研究の打合せをした。

国際間での共同研究は、合意が難しい。韓国(彼女の?)での研究の進め方、私の研究の進め方は全然違う。私の研究のしかたは、わからなくてもまずはじっくり現場をみて、何かがわかってくると焦点観察をしながら、先行研究をレビューしてそこからリサーチクエスチョンを導きだし、仮説をたて、それを検証していくという方法。時間はかかるが、ユニークな視点の研究ができるし、何よりそのプロセスを自分自身が楽しめる。新しい事を発見するプロセスがとても楽しい。彼女の研究の仕方は、研究をする前から、結論をある程度想定する。そのため、「何が言えるのか、何が分かるのかがわからない研究を私はできない」という。とりあえずやってみようよ、というのでは理解をしてもらえない。これまでの研究は、私がほぼ大枠をかきあげ、結論をほぼ出した上で彼女が自分のフィールドと関連させて韓国側の視点で議論してきたので、問題はなかったが、一から一緒に研究をするとなると乗り越える「価値観」の壁は大きい。

フィールド活動についても、韓国では情報収集することが非常に難しいようだ。学生にアンケートをとるにしろ、他の教員(同僚)に協力をえるにしろ、学校現場にいくにしろ、いろいろ面倒だそうだ。私はどちらかというと、日頃から学校の先生方とも学生とも親しくしているので、活動をするにしろ、授業観察させてもらうにしろ、それほど難しいわけではない。なので、結局、日韓比較によるレビュー論文しかできない、、、。共同研究にむけて、議論が進み、研究計画がたてれればいいが、、、。難しいかな?

Dr.Sunheeとの打合せ後、大学へ。マルチメディアの制作は最終課題の提出。心配していた学生も作品をつくりあげ、感動した。Flashをつかうのはパソコンに慣れていない学生にとって容易なことではないが、みんないい作品を創れそうだ。来週は、発表。楽しみだ。

1/16(Mon) 論文指導

修士論文を出す時期。加えて博士の公聴会がまじかにせまってきた。先週土曜日から修士と博士の院生の論文指導。まだまだ指導するには力不足なのだけれど、彼らより長く研究活動をしているので、少しは貢献できる。土曜日は、朝の2時から10時まで、月曜日は、仕事が終わってから夜中3時までかかった。

とりあえず、出さなきゃいけないもの、準備しなきゃいけないものはできたようなので、ほっと一息。将来、日本の未来を担う若者の成長に関われるって本当に嬉しいことだ。

1/1-1/15 あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。去年は、社会貢献のための活動を本格的に始めたこと、そして3年間のミャンマーでの調査活動を終えたことという大きなイベントが2つありました。どちらも私がやりたかったことで、成し遂げいことのプロセスに欠かせないことなので、これを土台に今年もバリバリがんばりたいと思います。

今年は、数年ぶり(7年ぶり?)に日本で年末年始を過ごした。いつもは冬期休業中に海外で仕事にいくので、年末年始は関係なく、1月1日も通常業務をするという正月らしい正月をおくらなかった。今年は、まさに「寝正月」を2日ほど楽しめました。そして家も大掃除し、とても気分がよいです。

1月5日から授業がはじまり、そろそろまとめの段階に入ってきました。授業の講義、ディスカッションした内容を自分たちの言葉でしっかり説明できるか、そこに焦点をあてます。休み期間に出した課題のできをみると、なんとすばらしい出来で、正直感動した。日本の大学生はがんばっていますよ、と胸をはっていえる。

今、関西大学のK先生と本を執筆中。100ページくらい担当原稿があるが、なかなかすすまず。考えて、考えて、考えつくしてから書くほうなので、もう少し考える時間をとって、来週あたりに書き始めたいと思います。

査読もやらなきゃ。考える時間は必要だけれど、やらなきゃいけない仕事もたくさんあるので、なかなか考える時間がないが、タイムマネージメントは研究者の不可欠な能力。どんな状況においてもパーフェクトに近いかたちでアウトプットをだしていきたい。