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6/27-28 ルーブリックの共同作成の試み

今週月曜日は、教育工学会から、投稿していた論文が受理されたという連絡をうけてとても嬉しかった。この論文は、5年以上かけて調査+分析してきたものだ。国際開発学会で発表して以来、データを増やしたり、分析の視点を変えたり、理論的枠組みを変えたり、いろいろ考えてみたが、論文としてなかなかまとまらず苦労をした。活動理論の枠組みを使うことで、ひとつの論文をしてまとめることができた。とても嬉しい。

火曜日の授業では、前回の授業に引き続き、ルーブリックを学生と共同で作るというアクティビティをした。今回は、遠海先生がサポートにきてくれたので、かなり助かった。従来の授業では、学生のパフォーマンスは、教員が持つ強化基準によって評価されてきた。それは学生に明示されることはなく、暗記のものであれば○か×で評価され、パフォーマンスの場合、何か基準をきめて評価される。しかし、最近では、その評価基準を学生に明示し、学生がその基準を意識しながら学習できるような取り組みが着目されている。その具体方法がルーブリックである。

私もこれまでの授業でルーブリックを使ってきたが、ひとつの疑問があった。評価基準を学生に明示することで、確かに学生は,その基準を意識して活動することができるようになった。しかし、その基準の中に入らないパフォーマンスについては、評価されないため、その分手を抜くようになったのではないか、ということである。つまり、学生は評価されるところばかり頑張って、評価されないところについては、がんばらなくなってしまうのである。1クラス50名ほどいるクラスでは評価の観点を多くしない。多すぎると評価に時間がかかりすぎてしまうからである。結局、5項目くらいの評価基準になる。そこで考えたのは、学生が頑張りたいと考える点と教員が評価をしたい点をあわせて評価基準を作るということである。これにより、教員に言われた事だけを頑張るのではなく,自分が頑張りたいという目標を自分でたててがんばることができる。28日の授業では、その実践の第二回目である。評価基準を作る事は学生にとって簡単ではないが、何をがんばりたいか、ということを考える上では役に立ったのではないかと思う。これについては、しっかりデータをとって、このやりかたが良いかどうかを判断しようと思う。

初等教育のおける途上国との交流学習

私の研究テーマのひとつが、途上国との交流学習である。米国や欧米など先進国との交流学習は、現在はかなりの教育機関で実施されている。その一つが、先進国の教員や児童・生徒のほうが、リテラシーが高いのでコミュニケーションがとりやすいこと、教員同士の教育観・学習観が類似しているので、PBLのような学習活動を合意し実施しやすいこと、インターネット環境が整っていることなどがあげられる。

一方、途上国との交流は、教員、児童・生徒のリテラシーが高次な学習活動である交流学習をする上では十分でないこと、教員が知識伝達型の教育しか受けていないため、PBLのような学習活動を理解してもらえないこと、インターネット環境が悪く、予定通りに学習活動を進めることができないことなどがある。

そういう様々な問題があるが、私の関心は、途上国と日本の児童・生徒をつなぐ交流を実現したいのである。私が、小学生のころ、海外=米国と思っていた。映画に出てくる黒人やアラブ人は、悪役やサブ的な存在だと思っていた。将来はアメリカ人みたいになりたい、と言っていた事を覚えている。今思えばなんて狭い世界に生きていたのだろうと思う。世界は広くとても美しかった。価値観は多様で、とても尊敬すべきことが多かった。我々の生活にはすでに米国や欧米の価値観が入ってきてるため、その価値観のものさしで物事を考えたり、行動したりしてしまうが、そうではない。物差しは多様なのである。そういうことを知るためにも、途上国との交流を実現したいのだ。

そういう思いを共有できる先生が何人かいる。その一人が関西大学初等部の三宅先生だ。インドとの交流をしたい、ということで、シッダールタさんと一緒に初等部に行ってきた。シッダールターさんは、関大初等部の設備をみて開いた口が塞がらない,という状態だった。インドの学校とは大違いだ、と驚きを隠せない。三宅先生が、シッダールタさんの学校と交流をしたいということを申し出ると、是非やろうということになった。

ところが、そのあとシッダールタさんが私に言った。「気になることがひとつある」というのである。それは、インドの生徒が日本と交流することは新しい学習活動で刺激的で、日本に関心ある生徒にとってはとてもモチベーションになると思う。しかし、写真やビデオでこの学校の施設などをみたら、インドの子たちは、「自分たちはやっぱり貧しいんだ」、「お金がないとこんな惨めな生活しかできないのだ」、「やっぱりお金が大事なんだ」、「ホワイトの人たちと自分たちは違う」、「世界が違う」、「日本人はやっぱりお金があるんだ」、という考えを持つ生徒も出てくると思う」というのだ。シッダールタさんの学校に通う生徒は、インドの学校にも通えない村の子たちである。学校に通えない子どもに教育を与えたいという思いから学校を立ち上げ、現在800人の生徒が通っている。学ぶことをようやく楽しむようになった生徒たちが、日本と交流することで「結局、勉強したって無駄だ」と思うと逆効果だという。シッダールタさんの言う事はまさにそのとおりだと思う。

一方、日本の児童・生徒にとっては、インドとの交流はとてもいい学習テーマとなる。今回交流する生徒たちは児童労働を経験したり、電気やガスのない村で育った子たちである。グローバル一シューを学んだり、異文化理解につなげたりすることができる。

お互いにとってWin Win になるテーマが必要になる。以前、パレスチナ難民キャンプの生徒と交流をした時は、問題がなかった。なぜなら、難民キャンプの子たちにとってパレスチナの現状をしってもらうことが交流の目的だったからである。そのため、日本の生徒は、パレスチナの問題について、遠慮なく何でも聞くことができた。グローバル一シューを学びたい日本の生徒と、自分たちの現状について日本人に知ってもらいたいというパレスチナ人生徒の目的がマッチした。インドの場合はどうだろうか?テーマについてしっかり検討しなければならない。

6/25(Sat) 多言語ビデオ制作

今日も、フランス語のジャケ先生と「さくら」をテーマとしたビデオ編集。今日は、日本語版、英語版、フランス語版、イタリア語版、ポルトガル語版ができた。残りは、中国版、韓国版、ヒンドゥー語版である。Adobe Encoreを使って、言語を切り替えできる機能をつかって多言語DVDを制作する予定。外大だからこそ、できる教材だな。こういうビデオ制作を学生ができたらすごく素敵だな、と思う。いつかゼミを持つことになったら、そういう活動を取り入れたい。

ところで、ジャケ先生もCharityに関心があるということで、来年、インドのフィールドワークに参加されるかも。外国人の先生が参加してくれると学生にとっても刺激になるので、是非一緒に活動できればいいな、と思う。

6/24(Fri) Ipadを活用したフィールドワーク実習

今日は、関西大学高等部のIpadを活用したフィールドワーク実習を視察した。私が視察したグループは、「商店街ではルールが守られているか?」というクエスチョンをもって、待ち行く人にインタビューをし、Ipadで写真をとったり、インタビューデータをまとめたりするというものである。

テーマ:商店街のルールについての調査
調査者:男子生徒1名、女子生徒2名
活動の様子
【最初の10分】どのように声をかければいいか分からない。あの人はどう?この人はどう?と3人で相談するが、第一歩がでない。「まずは声をかけてみれば?」と聞いたら、「断られたらトラウマになる」とか「立ち直れない」といって、なかなか声をかけようとしなかった。

【次の10分】まず、私が声をかけるロールモデルをした。すると、すぐに対応してくれたのをみて、男子生徒が、同じように声をかけてみたら、うまくいかなかった。ショックをうけていたが、「それでいい、その調子でいこう」と促すと、3人目で回答してもらえた。

3名目の人へのインタビューは、質問を棒読みして、答えてもらうというものだった。インタビューを受ける人は、私のほうをちらちらみていた。生徒の練習につきあっているけれど、こんな感じでいいの?という感じだった。

4人目で、インタビューを私自身が少し介入した。笑顔で声をかけること、まずは、自分たちの立場を明らかにすること、インタビューをする前に聞きたいことを明示すること、インタビューをうけてくれたらお礼をいってからはじめること、インタビュー中はうなづいたり、反応したりすること、など、をみせた。その後、男子生徒は、同じようにインタビューをしだした。

その後、インタビューが楽しくなってきたようで、始めは男子生徒だけしかしなかったが、女子生徒も「私もやってみる」といって声をかけはじめた。2名の人には断られたけれど、最初のようにショックをうけて、もうやりたくない、とはいわず、すぐに「あの人なら答えてくれそう」といって積極的に声をかけていた。合計15名から20名くらい声をかけていた。

最後の方には、生徒は、躊躇なく人に話しかけることができていた。たった1時間の活動であったが、知らない人に声をかける際に注意することや、より多くの情報を引き出すことなどができるようになったのではないかと思う。

【改善への提案】今後の課題として、調査のテーマについて検討するといいと思った。生徒は、授業の一環としてフィールドワークに参加しているが、テーマは事前に準備していたが「クエスチョン」を持ってないので、準備した質問をして終わり、というパターンが多かった。「商店街では交通ルールが守られているのか」に対してYes, Noで答えさせるよりかは、「何故、商店街では交通ルールが守られてないのか」というクエスチョンにして、その理由を調査するほうが、インタビューの幅が広がり、単に質問して答えてもらうということはなかったのかもしれない。

【気づいたこと】

(1)   フィールド調査中におけるIpadの活動
フィールドワークの際には、データ収集に集中するため、ノートとペンだけで十分。機材を持ちこむことで、【異様なコンテキスト】ができてしまう。そのため、インタビューアーがHesitateしてしまう。Ipadがあることで、“フィールドワーク”という自然な状況が壊れてしまっているのではないかと思った。

聞いたことを的確にキャッチアップして、書く訓練をしたほうが、フィールドワークには必要。12名の生徒に「フィールドワークにIpadを使ってみてどうだった?」と聞いたところ「Ipadがあることで、あれもしなくちゃ、これもしなくちゃ、と忙しくなって、インタビューに集中できなかった」と言っていた。彼らにとって、Ipadは日常の道具ではないので、慣れないフィールドワークに慣れない機材をもって、忙しかったと感じているのかもしれない。携帯電話の方が活用できたかもしれない。

(2)フィールドワーク中におけるその他の機材の活用: ICレコーダーを持っていると、インタビューを答える人がHesitateするため、路上インタビューはICレコーダーではなく、ノートとペンで十分だと思った。また、ICレコーダーでインタビューアーの許可なく録音することは後で問題が起こる可能性があるので、利用の注意説明が事前に必要かもしれない。

 

6/21(Tue)-23(Thu) 国際ボランティアに関する講義

今週は、第10回目の授業。あと授業も残すは5回。残りの5回は、Advanceの内容なので、どの授業も私も学生もしっかりやっていかなくてはいけない。時間のロスがないように授業計画をしっかりたてておかないと。

水曜日は、インドのフィールドワークでお世話になる下記の4つの団体から講師として来てもらい、講演をしてもらった。

① ニランジャナスクール 代表 シッダールタ氏
② ニランジャナセワサンガ 代表 山中アキヨ氏
③ Wall Art Project 代表 おおくにあきこ氏、現地コーディネータ 浜尾和徳糸
④  NPO法人学習創造フォーラム 吉田千穂氏

講演は、「フィールドリサーチ」という講義の1コマで「アクションリサーチ」の事例として講演してもらった。1時間半の講演のあと、交流会を持った。学生にとっては、とても刺激があったようで、2時間の予定だった交流会も30分延長してディスカッションをした。大学外の人との交流をこれからももうけていきたい。

木曜日は、ナショナルウィークに協力するため、私がこれまで渡航した様々な国の民族衣装を集めて(貸し出ししていた)、それをスーツケースいっぱいにつめて、日本語学科に貸し出しをした。また、各国のお菓子を出すというので、韓国とミャンマーのお菓子を提供。私も数枚の写真から世界に興味を持った。人が世界に興味を持つのは何がきっかけかは人それぞれ違うけれど、そういう機会を少しでも多く提供できればいいな、と思う。

ところで、水曜日は、本学での講演の前に、関西初等部でインドについての講演をシッダールタさんにしてもらった。これからインドとの交流が始まるかもしれない。小さい頃から、海外との接触をもてると、世界での出来事をよりリアリティを持って感じ、考えることができると私は思っている。ので、小学校のおける交流を通した異文化理解をこれからもしっかり支援していく。

6/18(Sat)-20(Mon) 韓国出張

18日から20日の3日間、韓国の漢陽大学のクォン先生、放送大学の中川先生と共同研究のディスカッションをするために、韓国へ。Visual Literacyを促進するためのガイドライン開発に関する研究だ。日韓の小学校の授業においてVisual Literacyがどのように教えられているかを分析し、日韓で比較をした。その結果については、2011年8月のICOMEの学会で発表する。

6/17 web2.0研究会

今日は、UNRWAプロジェクトのミーティングとウェブ2.0の研究会。日々の雑多に、研究から心が離れそうになっても、こういう研究会が定期的にあるので、研究を進めることができる。

Web2.0研究会で私がテーマにしているのは、大学院におけるWeb2.0を活用したナレッジマネージメントに関する研究である。WengerのDigital Habitatの枠組みを使い、ナレッジがどのようにマネージメントされているのか、されていないのであれば、何が問題でその問題解決にWeb2.0がどのように活用できるのか、ということなのだが、次の2点がクリアにならないため、まとまらない。ひとつは、大学院そのものが実践共同体として機能しているかどうかの問題。ナレッジを共有したい、活用したいという前提に立てば、それができていない場合web2.0をどのように使えばいいかという議論ができるが、そもそも院生は、大学院のナレッジを必要としているのか?活用しているのか?がわからない。インタビューからは、「必要だ」と口を揃えて言うけれど、彼らはそのナレッジをどのように実際に利用しているかと聞くと、答えが出ない。研究に必要な大学院のナレッジが何か、それがどう共有されているのか(またはされていないのか)がわからない限り、次に進めない。次に、院生がそのナレッジを共有しようとしているかどうかの問題だ。大学院全体を実践共同体として、共同で発展させていこうという意欲や関心があれば、積極的な情報交換がなされるのだろうが、それほど研究知見や成果が共有されていない。院生によると「自分の研究知見はとるにたらない」ため「共有する必要が在るとは思わない」だったり、「まだ人と共有する価値がある経験や知見を持っていない」だったりする。院生は、研究知見を積極的に共有し、共同で発展させていくことに抵抗を感じているようだ。大学院が実践共同体として機能しているということがクリアにならない限り、Wengerの枠組みを使って議論するのは難しい。なぜなら、Wengerの枠組みは、「実践共同体」が前提となっているからだ。

UNRWAのミーティングでは、9月のASISN PUJAについて準備等話し合った。外大生も関わってくれるので、大学間交流を通していろいろ学びの場を提供できると思うと楽しみだ。

6/13-16 ハワイの学生との遠隔会話演習の企画、準備

今週は、9月から実施するハワイの学生との交流学習のプログラム(Japai’i 2011)の立案、準備、議論を中心にしました。昨年度の取り組みをもう一度振り返り、何が達成できたのか、どこに問題があったのかを整理し、これをもとに、今年のプログラムの改善を行いました。さらにadvanceでより楽しそうなプログラムになったので、楽しみです。

また、今週は、学部生から院生の論文指導もかなりありました。本学の学部生が3名、8月の国際学会@韓国で前年度のハワイの学生との交流について発表します。今、原稿を書いているところですが、はじめての経験ということで大変そう。でも、着実に文章の書き方もよくなっているので、きっとすばらしい論文+発表ができることでしょう。

院生の論文指導は、今週は2件。ひとつは、海外をベースとしたフィールドワークにおける振り返りのためのICT活用に関する研究、もう一件は、遠隔教育に関する研究です。どちらも、私の関心分野なので、指導をしながら多くの事を学べます。

今週末は、韓国へ出張です。漢陽大学の先生、放送大学の先生との共同研究に関する打合せと議論です。今年は韓国へ3回渡航予定。1回目は4月、今回が2回目で、3回目は8月。とても楽しみです。

 

6/6-9 海外フィールドワークのモデルづくり

今週は、海外フィールドワークのモデルを作るため、国内外の文献を読みあさった。Action Learningというのが、理論的背景としてとても参考になるので、ここからレビューをはじめ、モデルを作ろうと思う。

同時に、事前学習として、本学の学生と現地の大学生間でfacebookを通した交流をはじめたが、まだ誰も書き込みをしていない。それまでガヤ大学の学生は、かなり頻繁に書き込みをしていたのに、本学の学生が入った途端、無言になった。いや、無言に成る前に、ガヤ大学の学生から、本学の学生に対してコメントやメッセージがあったが、本学の学生がそれに返事をしていないからか、交流がslinet状態になっている。交流の活発化を促進するために、本学の学生にもコメントに返事をしてもらいたいが、通信環境がそれほどよくないため、なかなか返事ができない状況である。モバイルラーニングの環境を早急に整える必要がある。

ところで、協同学習のツールとして、Tag Cloudsというのがある。

http://nflrc.hawaii.edu/onlinecafes/?page_id=737

おもしろそうなので、早速使ってみたいと思う。

6/5 チャリティイベントに参加

同じ大学の英米語学科の先生のお誘いで、チャリティイベントに参加した。スポンサードウォークというものだ。目標を決めて、目標を達成すれば、その目標を応援してくれた人(スポンサー)がお金を払うというものである。そのお金は、ジンバブエのHIV孤児とネパールの孤児院に送られる。

このチャリティーイベントには50名以上の人が参加し、88万円のお金が集まった。私は18人の人にスポンサーになってもらえた。ご協力いただいたみなさん、ありがとうございました。

こういうイベントを通して社会貢献に関心のある人と知り合いになれたことが私にとって、意義があった。

6/3 ウェブ2.0研究会

ウェブ2.0の研究会だった。今回の研究会では、教育工学会で発表予定の論文の進捗状況を発表した。なぜ、knowledge management の観点から、web2.0の重要性について述べる予定。

5/31-6/2 授業用の教材制作

今週は、授業用の教材制作に力をいれた。授業が半分終わったところなので、後半の教材の加筆、修正をした。毎年だが、3年生以上の授業だと、就職活動や教育実習などで授業に来れない学生が多く、一回でも授業を抜けてしまうと、ついていけななくなってしまう。すでに2名がリタイアしている。プリント教材や、ウェブ教材を準備してサポートしているが、そもそもパソコンがほとんど使えない学生もいるので、編集の技術を伝授するのは容易ではない。それでも、できるかぎり、支援して、良い作品を作ってもらえるようにしたい。編集技術より映像の質をあげていきたいが、それには、もう少し時間が必要。

5/30 国際学会icomeの原稿執筆

今日は、国際学会icomeの原稿締め切りの日だ。私は、日韓遠隔ワークショップをテーマに発表する。それ以外にも、共同研究で進めている論文が3本あるので、そちらの論文執筆の支援もした。今回はプロポーザルだけ提出だが、英語で論文を書くというのはなかなか大変だ。今回は4本も論文を書かないといけないので、結構大変だが、「論文を書く」ということは、研究者としての振り返りになるので、しっかりまとめていきたい。

5/28 レイゲルス先生と会食

今日は、京都でレイゲルス先生と会食をもった。ICUからI先生とI先生の院生、日本福祉大学からK先生とS先生、熊本大学から、Nさん、Iさん、Aさんもこられていて、国際色豊なメンバーで、プライベートや、研究に関するディスカッションを楽しんだ。

特に、おもしろいな、と思ったのは、アジア人の我々とアメリカ人のレイゲルス先生では、遠隔教育における支援のあり方についての考え方が違う点だった。アメリカ人は、ローコンテキストな文化といわれていて、言葉でのコミュニケーションが重視されるが、アジア人は、ハイコンテキストの文化といわれていて、会話の際には、ノンバーバルや状況などの情報を重視しながら、言葉の意味を理解する。そのため、文脈を共有できない遠隔学習において、アジア人は、相手が何をいいたいか、ということを読むための情報を十分に得る事ができないため、ストレスをためる可能性がある。ICUのI先生は、今、eラーニングにおける協同学習のストレスに焦点をあてて研究をされていて、それがかなり興味深い。「コミュニケーション」といっても、言葉が交わされればそれで理解しあえるわけではなく、特にアジア人にとっては、言葉を理解するためには状況からの情報が不可欠である。また、日本人は、一般的に、自分の意見をすぐに述べるのが苦手だといわれている。これは、日本をはじめとするアジア人が、状況をみて、周りが「同調」「共感」してくれていると思えば、発言するが、「話しにくい雰囲気」だったりすると、意見があっても声にださない。つまり、アジア人は、意見を述べるのが苦手というだけではなく、周りの状況をみながら発言している。一方、欧米人はどちらかというと、どんな場でも自分の意見をはっきり主張する。この違いも、アジアと欧米の遠隔教育を比較すると明らかにみられるだろう。遠隔学習の可能性を検討するためには、まずその限界や課題についてもしっかり明らかにしていく必要がある。

このディスカッションから、良いアイデアを思いついた。4月に実施した日韓間の大学生の遠隔ワークショップだが、上記に述べるように、双方ともなかなか相手からの発問やコメントに対してすぐに対応できなかった。まずは、周りの人と相談して「いいんじゃない?」という同調を得られると、発言する、というパターンが多かった。交流場面を分析することにより、アジア人の特徴を考えてどう支援すべきか知見を得られるのではないかと思った。(たとえば、まずは、隣の人同士で相談してから発言できるような時間を設けるなど)。遠隔学習はこれから益々広がっていくだろうから、特に異文化間におけるコミュニケーションの支援について考えていきたい。