2/27 PAPRIが支援する教育プログラムの視察

PAPRIが支援している高等学校を視察した。この学校は、日本ボランティアサポート(NVS)というNGOが支援して建設した。NVSは学校を建設し、設備も整え、最初の数年は教員の給料も含めて支援をしていたが、バングラディッシュ側が自立して学校運営ができるように、バングラディッシュの政府の学校として登録した。教師の給料はバングラディッシュ政府から支払われるようになったが、メンテナンス費、設備費、光熱費についての支払いはない。そのため、現在その分については、PAPRIが負担をしている。メンテナンス費、設備費、光熱費についてもバングラディッシュ政府から支払われるように現在申請中であるが、時間がかかりそうである。

NVSが建てた学校のように、NGOが建てて運営してきた学校を政府の学校として運営するということは、バングラディッシュでは結構あるようだ。政府の学校として認可されるためには、政府によるリサーチが必要になる。それは、他の学校が近くにないか、最低限の生徒数が集まっているか、建物や設備は十分か、ということである。条件が満たされていても、賄賂の習慣があるこの国では、賄賂を支払わなければなかなか承認を得られないということもある。難しい問題も抱えているが、政府の学校としていつか認可してもらえるまでPAPRIが支援することにしている。そうでなければ、この地域に学校がなくなってしまうのだ。

PAPRIとしては、認可されるまでこの学校運営をどうしていくかを考えている。現状を維持することだけでも必要なことだが、教育の質を高める取り組みをしてひとつのモデル校のようにしたり、何かUniqueな取り組みをしたいと考えている。そのためには、リソースパーソンや助成金が必要になるため、今後の課題である。

校長先生からお話を聞かせてもらったあと、数学と英語の授業を視察した。私の専門が教育工学だというと、是非授業をみてフィードバックをしてほしい、といわれたので、その通りにした。

私が視察した授業は完全な「知識伝達型の一斉授業」である。数学は、教師が公式を説明し、それを生徒に暗証させるというものだった。英語は、穴埋め問題を黒板に書き、それを答えさせて、「Correct」か「Wrong」のフォードバックだけして次に進んでいった。

授業終了後、6名の教員が職員室に集まり、私のフィードバックを聞きたいといった。改善できるところは数えきれないが、私がコメントするより、振り返り支援をしようと思い、次の5つの質問をした。

①今日の授業の目的は?

②その目的を到達できたと思いますか?それは何故ですか?

③授業で問題集を使っていましたが、半分以上の生徒がそれをもっていませんでした。それが分かっているのに何故使ったのですか?

④穴埋め問題を答えさえる時、生徒を前に来させて答えさえていましたがそれは何故ですか?

⑤今日の授業の「教え方」を振り返って、どれくらいうまくいったと思いますか?それは何故ですか?

上記の質問に答えてもらい、そこから今日の授業のWeak pointsに先生自身に気付いてもらい、そこから次の授業への改善点を出してもらった。はじめは、「私の今日の授業は100点です」といっていたのだが、質問をしていく上で、「Assessment methodがあまりよくなかった」「貧しい生徒は問題集を持っていないのに、問題集の問題をやらせたので、黒板に書いてみんなが解けるようにしなければいけない」「モチベーションを高めるために前にこさせたが、前にでて発表して終わりになっていたので他の生徒とコミュニケーションができるようにしたい」と言ってくれたので、「その通りだね」といってそれを私からのフィードバックとした。

ひとつ気になったのが、2つの授業で問題を出してその回答を言わせて、評価する(まさにミーハンのいうIRE)だったので、「何故そう思うのか?」という質問を足してみたら、生徒の考える力も育つよ、というと、「それはシラバスにのっていないからできない」と答えていた。シラバスに沿った授業をするように指示されているのだろうか。教師がいろいろ工夫することも大事だよ、という話をしたが、「シラバス以外のことはできない」の一点張りだったので、この学校の授業改善は、まず先生の意識変化からだな、と思った。

One Response to “2/27 PAPRIが支援する教育プログラムの視察”

  1. 水谷俊亮 said:

    2月 28, 12 at 2:46 AM

    その学校はパプリが入っているので教師の質はまだましなのだと感じます。バングラデシュで教師がフィードバックを求めてくる、というのは珍しいことです。社会地位があり、かつ安定している職でもあるので外部の介入のせいで現状が変わってしまうことを恐れるためだと思います。田舎の学校はまだましで、ダッカの学校では授業の時間なのに教師が生徒を放っておいて校庭でお茶を飲みながら職員会議をしている光景を目にしたこともあります。
    バングラデシュでは女性は中学を、男性なら高校を卒業すれば誰でも教職に就けます。教授法などの知識が全く無いまま教師になるため、自分が受けてきた教育をそのままする以外にアイデアはなく、また政府が行う進学試験が教科書の問題がそのまま出題されるため、それを丸暗記させれば教師としての仕事は成り立ちます。
    感の良い生徒は丸暗記からも理解できますが、そうでない場合がほとんどなのでうちの子ども達も分数の仕組みがわからないままテストだけはできてしまう子もいました。その様な内容のわからない勉強が楽しいはずもなく、途中で挫折してしまう原因の一つとも言えると思います。
    黒板の字が汚い、お仕置きのための棒を常に持って威嚇しながら授業をする、といった光景が日常で、すぐに改善できそうなことも山ほどありますね!


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