国際協力

・ミャンマー国の教育大学の授業改善支援(2008年‐現在)


2008年からJICAの専門家としてミャンマー国で仕事をしています。仕事の内容は、ミャンマーの教育大学の先生に対して、どのようにすれば授業がよくなるかを指導することです。年に2回教員研修を実施し、それ以外はモニタリングをしながら、具体的なフィードバックをして、先生方の授業改善を支援してきました。(詳細は、コチラ

・シリア・アラブ共和国における学習者中心型教育の促進に関する活動(2005年-2010年)

青年海外協力隊としての任期終了後、赴任先であったUNRWAと連携して教育支援に関するプロジェクトを立ち上げました。目的は、ICTを活用した学習者中心型教育の促進です。URNWAは、Quality AssuranceやGlobal educationなどを推進しており、全国的に、教師による一方的な詰め込み学習ではなく、学習者が様々なリソースを使って問題解決していくような学習を実践したいと考えていました。そこで、ICT教育を専門とする研究者、実践者がチームを作り、その活動を支援してきました。具体的には、年に2度教員研修を行い、年度末にはモニタリングを通してフィードバックをしてきました。すでに100名を超える教員に対して研修を行い、これらの教員の授業が改善されたことが報告されています。また、2008年からはSchool Based Trainingを導入し、学校単位で授業改善に取り組むシステムを導入し、現在モニタリングをしながら、その可能性と課題について調査をしています。

・シリア・アラブ共和国のパレスチナ難民の学校への視聴覚教育支援(2002年-2004年)



2004年から2006年間の2年間、国際協力事業団 青年海外協力隊事業に参加し、シリア・アラブ共和国に視聴覚教育の専門として派遣されました。派遣先は国連パレスチナ難民救済支援事業(UNRWA)で、主な活動は、教材開発でした。英語、アラビア語、音楽、体育、人権、社会の科目において多数の教材を開発し、学校現場に提供してきました。しかしながら、教材は作っただけでは、単なる映像メディアです。これらをどのように活用して授業をデザインするかが非常に重要となります。しかし、UNRWAには科目の専門家はいても、授業設計の専門家がいなかったため、協力隊での活動を終えた後、授業設計の専門家として、通年2度(3か月)シリアに渡航し、教員やスーパーバイザーに対して、授業改善の指導を行うことになりました。

・ガザ地区における聾唖学校の生徒のための教材開発(2006年)

NPO法人パレスチナ子どものキャンペーンの依頼を受けて、2006年イスラエル占領下のガザ地区に行って、ろうあ者のための「手話」教材を制作しました。ガザは、さまざまな理由から障害をもった人が多くいます。私が訪問した家庭では7人家族のうち5人がろうあ者でした。健常者でさえ生活することが困難なガザでの生活において、障害を持つ人々の生活は非常に苦しいものです。コミュニティとコミュニケーションがとれず、家族ともコミュニケーションがとれずに生活することはできません。そこで、コミュニケーションの手段として手話を普及させることになりました。家族全員で学ぶことができるような内容の教材を作りました。教材は音声なしの視覚だけの情報です。画面にすべての情報をいれこまないといけないため、テキストの情報が多すぎないようにイラストなどを多く使いました。これらの教材は、ろうあ学校で利用されています。

・ニジェールの村落住民のためのメディアリテラシー調査(2000年)

大学3年生の時に、当時大学の指導教官だった久保田先生のアシスタントとして、ニジェールという国に行きました。ニジェールは、西アフリカに位置し、とてもGNPからみると貧困国のひとつです。その西アフリカに先輩が青年海外協力隊員として活動をしていました。彼女の仕事は、村落住民が飲み水として使うため池に生息する「ギニア虫」から住民の健康を守るという仕事です。村落住民は、雨期にたまったため池の水をろ過せずに飲んでしまうため、水の中にいる「ギニア虫」を一緒に飲んでしまいます。その後、ギニア中は人間の体内で成長し、足から皮膚をやぶって出てきます。皮膚をやぶることで、破傷風や様々な感染になる可能性もあるので、正しい水の飲み方を彼女は支援していました。しかし、テレビや広告などこれまで「メディア」というものに触れたことがない村落住民に「言葉の説明」だけで、理解してもらうことは非常に困難です。そこで、UNICEFや他の国際機関が開発したポスターや広告を使ってどれほど村落住民がメディアを理解しているかを調査しました。たとえば、写真の図は女性の横顔の写真ですが、村落住民はこれを「らい病の女性」と答えました。らい病とは顔が溶けてしまう病気です。このようにイラストなどを理解できない村落住民に対して抽象度の高いイラストなどは理解されないということがわかりました。そこで、スライド写真を使って、村落住民の生活に密着した物語を作り、その物語の中で語りかけるという取り組みを行ったところ、その地域のギニア虫感染者が0になりました。

このように教材を開発する際には、ベースライン調査などを行い、現地のひとたちのメディアに対する理解調査、意識調査をする必要があるということがわかりました。


・フィリピンの村落地域におけるICT活用の促進

フィリピンでは、英語に堪能な人が多く、それに加え、コンピュータの知識や技能があると海外への出稼ぎや、国内でも就職の可能性が広がります。そのため、専門学校、大学などの教育機関だけでなく州や市レベルでもICT技術獲得のための講習が提供されています。しかし、貧富の差が大きいフィリピンでは、都心部ではインターネットを含むICTを利用した学習環境が整備されその恩恵を得られる一方、村落地域では電話もなく外部との情報交換が難しいという現状で、ますますデジタルデバイドが拡大しているという問題がありました。そこで、関西大学の研究者、学生、フィリピンのNGOが連携して、ミンダナオ島サンイシドロ市にある村落部の高等学校においてICT普及のためのプロジェクトを開始しました。村で唯一電話回線のあるHouse of Joyという特別養護施設を拠点に村で無線LANが使えるように機材を設置しました。

・青森県の高校と連携した歯みがきプロジェクト(2006年)



青森県の高校から「国際協力がしたい」と連絡があり、歯ブラシプロジェクトを立ち上げました。シリアの子どもは、虫歯が多く、大人になって歯が何本も抜けている人が多くいます。そこで、歯を大事にすることの大切さを分かってもらいたい!そのために歯ブラシを送りたい!というので、1ヶ月のプロジェクトを立ち上げました。歯ブラシの大切さについて分かってもらう、という部分については、UNICEFが協力してくれ、歯科医を派遣してくれ、また歯ブラシ講習のための教材や資材も貸してくれました。マイクロバスで学校や村をキャラバンして周り、歯ブラシ講習会を実施しました。最後に、簡単なテスト(誰でもパスできる内容だが)をし、合格すれば歯ブラシをプレゼントしました。果たしてその歯ブラシを使って、歯を磨くようになったのか、、についてまではモニタリングができませんでしたが、高校生が遠いシリアの国の子どもたちに何かしたいと考え、募金活動を行ったことは、そして、それで買ったお金でたくさんの子どもたちが歯について考え、歯をケアすることについて学ぶきっかけになったことはとても貴重な活動だったと思います。双方にとって学びの多いプロジェクトでした。